自然派ワインの造り手
「ジャン・マルク・ラフォレ」

2016年11月18日
自然派ワインの造り手 「ジャン・マルク・ラフォレ」

11月の第3木曜日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日!最近ではペットボトルのヌーヴォーの登場などで価格もお手頃なものも見られるようになりましたが品質はどうかと聞かれれば僕は黙ってしまいます・・。そんなヌーヴォーを飲んでしまうから「ボージョレ・ヌーヴォーなんて別に・・・。」なんていう人が増えてしまうのではないかと思っています。
ナチュラルで品質重視で造られたヌーヴォーはホントに美味しくてしかも熟成させてもおいしいです!是非機会があったらお試しくださいね!
今回はホントに美味しいヌーヴォーの造り手「ジャン・マルク・ラフォレ」をご紹介致します!

ラフォレ家では伝統的な収穫を大切にしている。伝統的な収穫とは収穫人がフランス中、いやヨーロッパ中から集まってきて2週間は、合宿生活をするパターン。朝昼夕の食事から寝起きまでを共にする。2週間後にはほとんど家族のような関係になる。
この収穫期間中に巡り会って結ばれるカップルも多い。フランス社会学的にみても、この葡萄収穫でフランス中の血統が混合された、と云う話しを学者からきいたことがある。
この伝統文化が消えつつある。

なぜかというと2週間も朝昼夕の食事を準備する人、普通は蔵元の奥さん。そんな仕事を引き受ける奥さんが少なくなった。
次にフランス労働法が厳しくなって、従業員とみなして2週間でも滞在する場所(部屋、トイレ、シャワー部屋)など設備の検査がうるさくなったこと。
そして単に葡萄を収穫するという作業のみを重視して、近隣の人、もしくわ、今はスペイン人、ポーランド人などの出稼ぎ専門紹介人に依頼すれば、グループでやってきて勝手にテントやキャンピングカーで自給自足して一切面倒みなくてもよいシステムが存在している。蔵元から見ればこの便利なシステムを利用するところが増えた。
最近の醸造元は、単に素早く葡萄を収穫して、発酵槽に入れれば、よろしい。機械的に考える蔵元が多くなってきた。収穫人も単なる、お金、給料をもらうだけでよい。

ワインの原点である素材(葡萄)を収穫する人達が、楽しく、喜びの心を持って収穫された葡萄を仕込むことは実に大切。収穫人が急かされて、ストレス一杯の状況下で収穫された葡萄と前者の葡萄は、同じ熟度でも同じであることはない。美味しく感情まで伝わってくるようなワインを造る醸造家の収穫は、実に穏やかで楽しそうでかつ精度の高い収穫をしている。これらの醸造家は常に収穫人の感情を大切にしながらも、精度の高い収穫をしてもらうように心がけている。

ラフォレ家の収穫はフランスの典型的な収穫文化を今も続けている。この歓喜、感情は葡萄、自生酵母に伝わる。ラフォレ一家の収穫人の中には、もう30年も毎年やって来る人達、20年前よりの人、10年前より、数年前より新人と、年齢も若手から70歳ぐらいまで入り混じって2週間一緒に過ごす。ベテラン収穫人達が収穫の技術的なこと、(腐った葡萄を入れないことなど)、また若手を元気付けたりハッパをかけたり、笑わせたり雰囲気づくりをやってくれる。本当に2週間後には皆ファミリーになっている。収穫が終わって帰るときは皆涙ぐんで分かれを惜しむ程になる。だから、来年もまた来ようと思う。収穫後も皆、家族のように付き合っている。これが伝統の収穫文化だ。

収穫は単にワイン造りだけではない。ワインと共に"喜び"というか、ポジティフな波動のようなものを造りだしている。こんな環境の中で収穫されたワインは美味しいに決まっている。



BioWine_sub5 ラフォーレ・ファミリー紹介まず最も大切な人、超働きものお母さんマルティーヌ。
このお母さんが30人分の朝昼夕の食事の準備、その他の面倒をみている。
皆のお母さんだ。三つ子の子供を育てた三児の母。美味しいワインの影には、素晴らしい女性がいることが多い。


BioWine_sub4 お父さんのジャン・マルク
この人も超働き者。毎月、パリのビストロ、レストランに配達をしている。パリのビストロでも人気者。今年から正式には引退して息子達に譲ったにも関わらず、全く変わらずにまだ第一線で働いている。ジッとしていられないお父さん。


BioWine_sub6 三つ子の一人、ピエール。
主に醸造を担当している。静かな性格。
ワイン学校を出てお父さんについて、ワイン造りを学んだ。
今年からは、このピエールがワインを造っている。
お父さんとは、違った感性をもつ。


BioWine_sub7 主に葡萄園を担当しているトーマ。
収穫中は、殆ど収穫人と行動を共にしている。




一家団欒の夕食。
夕食後は皆で歌を唄って、楽しいひと時を共にする。

BioWine_sub8

この中には、夏のバカンスをとらないで、この収穫時に合わせてバカンスをとってやって来る人が多い。
彼らにとっては、単なる収穫ではない。
親戚に逢いに来るような感覚。

こんな風に、喜びの中で収穫された葡萄を仕込んだワインは、美味しいに決まっている。
単に美味しいを超えた何かを備えている。

Profile

竹之内 一行(たけのうち かずゆき)

竹之内 一行 (たけのうち かずゆき)

1968年10月生まれ 神奈川県出身。横浜商業高校卒後、レストラン&バーでの修業、
1993年約3週間ヨーロッパへ食べ歩きの旅行をきっかけにワインに興味をもつ。
1996年日本ソムリエ協会ワインアドバイザー修得。その後も都内ワインスクールにてテイスティングの勉強を重ねる。2000年再度渡仏の際に教科書やワインスクールでは、知ることができなかった自然派ワインや地元でしか流通していない真のお宝ワインがあることに興味を持ちはじめ毎年渡仏し現地生産者等と交流を深める。現在、父親が始めた酒販店「エスポアしんかわ」代表。都内等ワイン飲食店にワインの卸や初心者のためのワイン講座等も行っている。

  • ボクは知っている

    by 冨樫 チト on 2016年11月30日
    「ボクは知っている」 神山ますみ 講談社 さあ 一年で一番楽しい季節のお出ましだ 吐く息は少しずつ白くなり 街はどこもかしこもキラキラ ショーウィンドウにはこれでもかとプレゼント
  • 自然派ワインの造り手「ジャン・マルク・ラ...

    by 竹之内 一行 on 2016年11月18日
    11月の第3木曜日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日!最近ではペットボトルのヌーヴォーの登場などで価格もお手頃なものも見られるようになりましたが品質はどうかと聞かれれば僕は黙ってしまいます・・。
  • 青春の一閃のきらめき 高倉健三回忌

    by 石黒 健治 on 2016年11月17日
     高倉健さんが亡くなってちょうど2年。11月10日は3回忌を迎える。  1960年代の「網走番外地」の純粋で美しい健さん。つづく「昭和残侠伝」シリーズの鮮烈な一閃の輝きに、自分の青春のきらめき
  • ローカーボダイエットと環境問題の関連性

    by 金井 一浩 on 2016年11月15日
    糖質制限ダイエットが下火になってきたと思ったら先日ラジオ番組でローカーボダイエット食品市場が拡大していると言っていました。糖質制限の言い方を変えただけではないか!と突っ込みたくなりましたが、その市
  • 自分向きアルコール飲料が作れるリモンチェ...

    by 中村 滋 on 2016年11月 2日
    ・パーティーで集まると、酒飲みが多いように見えますが、知る限りでは半分はソフトドリンカーです。宴会イコール酒のように思うのは、酔っ払いは声が大きいからです、多分。 ・とある最近のデータによると、若
  • ことりはどこ?

    by 冨樫 チト on 2016年10月26日
    「ことりはどこ?」 シャーロットゾロトウ 文 ナンシータフリ 絵 みらいなな 訳 童話屋 コロボックルが見える 木と話しができる ちょっとだけ空を飛べる 自分にとっては当た
  • 自然派ワインの造り手「ブルーノ デュシェ...

    by 竹之内 一行 on 2016年10月20日
    南フランスのルーション地方バニュルスという地で「南仏のロマネ・コンティ」と評する人もいるほどの素晴らしいワインを造る男がいます。ブルーノ・デシュン、もともとはキノコ生産者だった彼ですがある時ワイ
  • 早熟は早老

    by 金井 一浩 on 2016年10月15日
    「人間の栄養学を求めて」という本があります。私事で恐縮ですが現在受講中の小児食生活アドバイザー無期限コースの課題図書がありまして、その中の一冊なのですがいまや絶版にて入手困難、ネットで中古販売されて
  • ダリってダレ?

    by 石黒 健治 on 2016年10月12日
    ヒント 1) ぐにゃりと垂れ下がった時計。 2) ぎょろ目で針金ひげ。 もちろん、スペイン生まれのシュールレアリズム(超現実派)の画家、サルバドール・ダリですね。 » 記
  • 逆転発想のハンドクリーム

    by 中村 滋 on 2016年10月 3日
    ・炊事、庭仕事、洗車などの水仕事に手荒れはつきもので、年をとるとかさつきがひどくなります。ただ、いちいち手洗いのあとタオルで拭いてハンドクリームを塗るのは面倒で、ほったらかしです。 ・それなら濡れ
  • 自然派ワインの造り手「ドメーヌ・ラ・ボエ...

    by 竹之内 一行 on 2016年9月28日
    フランスの真ん中、ヴォルヴィックやヴィッテルというミネラルウォーターの採水地としても有名なオーヴェルニュ地方。ワイン産地としてはやや地味な産地であるがナチュラルワイン好きにとっは外すことの出来な
  • 魔女たちのあさ

    by 冨樫 チト on 2016年9月26日
    「魔女たちのあさ」 エイドリアンアダムズ さく 奥田継男 訳 アリス館 ハロウィンが近づいて来る 棚の奥からカタコトと 存在をアピールしてくる本がいる 魔女 そして雰囲気のある木を描かせ
  • ユーロの方舟、沈没か グローバル資本主義...

    by 石黒 健治 on 2016年9月20日
    ヒースロー空港に着いたのは午後6時。先着の仲間たちとの夕食に間に合うはずだった。しかし、イミグレーションへ向かう廊下に長蛇の列。通りすぎようとすると係員に制された。列に並べという。 行列は動かな
  • 「伊勢の神宮」に思いを馳せる

    by 金井 一浩 on 2016年9月15日
    今月の「お米と暮らし」は日本人と稲作の深いかかわりがよくわかる、「伊勢の神宮」を紹介させていただきます。 表題から読み取れる通り伊勢神宮に関する書籍ですが読み進めるにつれ、あまりにも日常化しす
  • ホントに役立つキーホルダー

    by 中村 滋 on 2016年9月 2日
    ・キーホルダーとかストラップとかは、知らない間に集まり引き出しに溜まりますが、数ある中でホントに役に立つモノをピックアップしてみました。 ・+D ポケットプラスチックホルダー。緊急用のマイバッ
  • わにのなみだ

    by 冨樫 チト on 2016年8月30日
    「わにのなみだ」 アンドレ・フランソワ さく いわやくにお やく ほるぷ出版 変わった形の本 というものが世の中には沢山あって これもまたそのひとつ 写真に写っているのはケースで ワニの
  • 自然派ワインの造り手「ヴィニヴィオ」

    by 竹之内 一行 on 2016年8月26日
    まだまだ暑い日が続いておりますが、暑い日に最高に美味しいワインの一つにポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」というワインがあります。ポルトガルの最北部、スペインとの国境付近のミーニョ地方で産する
  • 電気炊飯器の選び方

    by 金井 一浩 on 2016年8月15日
    日本の家電はよくできています。その中でも電気炊飯器は日本のお米文化から生まれた正真正銘のガラパゴス家電。しかし最近では海外の方も電気炊飯器を持っているらしく、来店される旅行者やビジネスマンに尋
  • ポケモンもびっくり! ヨーロッパの江戸写...

    by 石黒 健治 on 2016年8月12日
    イギリスがEU離脱を決めて間もないころ、パリ北駅、ユーロスター・ロンドン行きのイミグレーションで、イギリスの入国管理官からストップをかけられた日本人がいた。荷物の中に、複雑な形の木箱と重くて大
  • ズボンのポケットに入る夏の小さな手拭い

    by 中村 滋 on 2016年8月 3日
    ・手を拭いたり汗を拭ったりは一般的にタオルです。ただ肌触りがいいものの、かさばり吸水性も乾きも悪く携行向きではありません。水分を拭うのはなんといっても日本手拭いが一番。ただ、日本手拭いはやや大きく
1

Homeに戻る