自然派ワインの造り手
「ラ・ヴィーニュ・デ・ペロン」

2016年5月20日
自然派ワインの造り手 「ラ・ヴィーニュ・デ・ペロン」

フランス・南東部のサヴォワというスイスやイタリアの国境付近のワイン産地でとんでもなくピュアでエレガントなワインを造る蔵がある。ラ・ヴィーニュ・デ・ペロンだ。造っている男の名はフランソワ・グリナン、元ピアニストだ。
非常に生産量が少なく自然派ワイン愛好家は見つけたら買うという今ではとてもレアなワインとなっている。

BioWine_sub1 ヴィル・ボワ村は山間部へと続く渓谷にあるため、ぶどう畑は標高約250mの斜面に点在します。この地は夏でも夜間は冷涼な風が吹くため、ワインにフレッシュ感が生まれます。
ピノ・ノワールが植わる「レ・ゼタップ」の区画は、コート・ロティの畑のように歩くのでさえ大変な急斜面。畑の周りは季節の草花が、絨毯のようにさまざまな色の花を咲かせています


醸造面では培養酵母や酵素は使わず、補糖や清澄、濾過もしません。
現代では当然となった醸造技術や人的介入を控えたワイン造りをするには、有機栽培で育てた健全なぶどうが必要です。例えば合成化学物質の農薬を使ったぶどうには野生酵母が少ないため、酵母添加しなければ発酵が安定しない場合があります。有機栽培のぶどうは野生酵母の数が多く活力があるため、作柄が不安定な年でも問題なく発酵が進んでくれるようです。

BioWine_sub2 また、亜硫酸を使わずに発酵から熟成まで進めますが、できる限り空気と接触させずに造る必要があるため、ワインが還元状態に陥る可能性が上がります。その可能性を下げるためには、ぶどうが育つ段階から考えなければなりません。堆肥が多すぎると地中の窒素量が増えて還元しやすくなりますし、反対に少なすぎると発酵の妨げになってしまうようです。


ワイン

BioWine_sub3 〇セレーヌ・ブランシュ
品種はルーセット100% 。樹齢約10年。ヴィル・ボワ村のLe Perron(ル・ペロン)地区にある自社畑で石灰質の岩が崩れ落ちて堆積した土壌。0.3Ha。認証は取得していないがビオロジック栽培。ぶどうを圧搾後、木樽にて1.5ヶ月、12〜15℃の温度で発酵。228L容量の6年樽にて12ヶ月熟成。ノンフィルター。SO2は、発酵と熟成中のいずれも使用せず。やや酸化的ニュアンスがあるがカリンや杏の黄色い果実の風味が豊かでボディがあ厚みのある白ワイン。


BioWine_sub4 〇エルミチュール
品種はガメイ。樹齢約25〜30年。蔵があるヴィルボア村(標高250m)でビオロジック栽培される0.6Haの区画。石灰質の岩が崩れ落ちて堆積した土壌。
50Hl 容量の木製トロンコニックタンクに房を丸ごと入れて、1日1回ルモンタージュしながら発酵と共に2週間マセラシオン。発酵中の最高温度は30℃。その後、6年樽にて12ヶ月熟成。ノンフィルターで、木樽から直接ビン詰め。SO2を発酵と熟成中のいずれも使用せず。
ワイン名には「人里から離れた、隠遁生活をする」という意味があるが、この区画は雑草が多く茂っており、除草剤を使う周辺の栽培家から「手入れが悪い」=「エルミチュール」と呼ばれている。蔵元が所有する区画で、25〜30年前に家族が植樹し、フランソワが引き継いで栽培しているぶどう。赤い果実の風味がとても心地よく華やかだが過度ではなくエレガントかつピュア。軽やかではあるが薄くはなく出汁の旨みのようなワイン。


BioWine_sub5 〇エタップ
品種はピノ・ノワール。樹齢10年。ヴィル・ボワ村にある0.8haの区画。南西に傾斜しており、日照に優れる。石灰質の岩が崩壊した土壌。認証は取得していないがビオロジック栽培。樹齢は約10年。木製のトロンコニックタンクに房を丸ごと入れて、1日1回軽くピジャージュ。30℃以下で発酵させながら2週間マセラシオン。その後、5年樽にて9〜12ヶ月熟成。ノンフィルターで、木樽から直接ビン詰め。SO2を発酵と熟成中のいずれも使用せず。とてつもなくエレガントでピュアな液体。繊細で高貴な果実の芳香。ブルゴーニュの超高級ワインにも負けない満足感。


BioWine_sub6 〇ペルサンヌ
品種はモンドゥーズ。樹齢25〜30年。ヴィルボア村にある南西向きの0.5haの区画。石灰質の岩が崩れ落ちた土壌。認証は取得していないがビオロジック栽培。標高250m。石灰質の岩が崩れ落ちた土壌。木製のトロンコニックタンクにて房丸ごとを30℃以下で発酵、そしてマセラシオンを含めて2週間。228L容量の6年樽で12ヶ月間熟成。ノンフィルターで、木樽から直接ビン詰め。SO2は、発酵と熟成中のいずれも使用せず。ペルサンヌ」とは、この地方でペルサニュと呼ばれるなど、多数の類義語を持つモンドゥーズの呼び名の一つ。「ヴァン・ド・フランス」では品種名を名乗ることはできないため、類義語を用いて品種を呼ぶ手段とした。晩生品種であるモンドゥーズにとって、この年は成熟後期の天気に恵まれたお陰で風味の表現力がよても豊か。心地よい果実味とタンニンがあってきめの細かな味わいです。軽快な口当たりながら、舌の上に旨味と甘みを残しながら酸主体の果実味がとても心地よくついついまた一杯と手が伸びてしまいます。


Profile

竹之内 一行(たけのうち かずゆき)

竹之内 一行 (たけのうち かずゆき)

1968年10月生まれ 神奈川県出身。横浜商業高校卒後、レストラン&バーでの修業、
1993年約3週間ヨーロッパへ食べ歩きの旅行をきっかけにワインに興味をもつ。
1996年日本ソムリエ協会ワインアドバイザー修得。その後も都内ワインスクールにてテイスティングの勉強を重ねる。2000年再度渡仏の際に教科書やワインスクールでは、知ることができなかった自然派ワインや地元でしか流通していない真のお宝ワインがあることに興味を持ちはじめ毎年渡仏し現地生産者等と交流を深める。現在、父親が始めた酒販店「エスポアしんかわ」代表。都内等ワイン飲食店にワインの卸や初心者のためのワイン講座等も行っている。

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