BIOワイン、自然派ワインについて〜その8〜
自然派ワインの広がりが加速している

2013年9月20日
自然派ワインの広がりが加速している

ここのところの自然派ワインの広がりは実に大きい。もう自然派ワインという範疇を超えて一つのワインのスタイルとして認知されてきたと云った方がよいかもしれない。 つい最近までは自然派ワイン専門ビストロやレストランなど狭い世界で限られた人達の中でしか飲まれなかった時代だった。 そして数年前からミッシェラン三ツ星レストランや3年連続世界第一位レストランになったデンマークのNOMAなど、テースティング能力があり視野の広いソムリエがいる一流店が自然派ワインを扱うようになっていた。 昨年くらいからその枠がさらに拡大して、"品質重視"をポリシーにおくビストロやレストランが率先して自然派を扱い出した。

それを期に、今まで無視し続けていたワイン雑誌が一斉に自然派ワインを取り上げて称賛しだした。ワイン評論家も自然派ワインを高得点で評価しだした。自然派ワイン(VIN NATUR)と云う言葉を使わずテロワール・ワインとしての"造り"の違いを評価している。

自然派ワインがフランスから世界へ輸出が拡大

12年は蔵元から世界に向けての輸出も大きな広がりを見せた。北欧諸国・ノルウェー・スエーデン・フィンランド、そしてデンマーク、さらにドイツなどへの広がりが著しかった。そしてワインのうんちく文化の国・イギリスが自然派に動きだした。12年5月にロンドンで盛大に自然派ワイン見本市が行われた。そして何と言ってもアメリカが自然派ワインに本格的に目覚めたという感じだ。昨年は多くの自然派醸造家がアメリカまで市場開拓に行っていた。 アジアの大国、中国へも自然派ワインの輸出が始まった。上海には自然派ワイン専門のフレンチ・レストランも既にあり結構繁盛している。まだ僅かではあるが韓国、台湾、シンガポールにも自然派ワインが輸出されだした。 今後さらに大きく伸びることが予想される。

自然派ワインの造り手が急増している

造り手の状況も、大きく様変わりしているのを感じる。 自然派が初期から数年前までは、特別な人達が個別に自然な造りを孤立して造っていた時代。マルセル・ラピエールを中心にグループが形成されてきた。そしてワインライターのシルビー・オジュロやカトリーヌ・ブルトンがデーヴ・ブテイユという自然派ワイン見本市を開催して以来、孤立していた自然派ワイン醸造家同士の横の繋がりが一挙に増えた。 ディーヴ・ヴテイユに匹敵する大きな見本市、ル・ヴァン・デ・ザミ、ヴィニ・シールキュスなどが近年形成されていった。

その他にもディーヴ・ブテイユ系の横の繋がりからフランス全土の各地方の気の合った醸造元同士がグループを結成して、約30箇所でミニ・自然派見本市開催されるようになった。 例えば、シェ・アン・シェ・ロートル(シャブリにて開催)、ボージョレーヌ(ボジョレ)、ルミーズ(ローヌ) フェスティヴァル・ドゥ・ヴァン・ナチュール(ラングドック)など他多数あり。 こんな具合に、ほぼ2週間ごとに、どこかで自然派ワイン見本市がフランス中で開かれている。こうした継続的な見本市で自然派ワインに目覚めるファンが着々と増えている。この様な見本市で知合った醸造家同士の情報交流のお陰で自然派ワイン全体の品質もますます高上しているのも見逃せない。 こうした活発な自然派ワイン見本市に影響されて、自然派醸造家がフランス全土で増えている。

Profile

竹之内 一行(たけのうち かずゆき)

竹之内 一行 (たけのうち かずゆき)

1968年10月生まれ 神奈川県出身。横浜商業高校卒後、レストラン&バーでの修業、
1993年約3週間ヨーロッパへ食べ歩きの旅行をきっかけにワインに興味をもつ。
1996年日本ソムリエ協会ワインアドバイザー修得。その後も都内ワインスクールにてテイスティングの勉強を重ねる。2000年再度渡仏の際に教科書やワインスクールでは、知ることができなかった自然派ワインや地元でしか流通していない真のお宝ワインがあることに興味を持ちはじめ毎年渡仏し現地生産者等と交流を深める。現在、父親が始めた酒販店「エスポアしんかわ」代表。都内等ワイン飲食店にワインの卸や初心者のためのワイン講座等も行っている。

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