BIOワイン、自然派ワインについて〜その7〜
グローバル化と個性化

2013年8月 2日
グローヴァル化と個性化

開発者のジュル・ショーヴェ、造り手のマルセル・ラピエール、売り手のジェンピエール・ロビノ、この3者の核が揃って現在のVIN NATURE(自然派ワイン)が誕生、そして伝播して現在に至っているのである。

マルセル・ラピエール系自然派の三大特徴は

1-土壌に微生物が生きていること。(正式なビオ公的機関に登録している否か、は問題でない。)
2-収穫直後のSO2添加をしない。(もしくは極小)
3-自生酵母で発酵する。
4-傾向としてグラップ・アンティエール(房ごと醸造)

除梗をしない醸造。しかし、このグラップ・アンティエール(除梗なし)は地方によって異なるので重要ではない。後にマルセル・ラピエールはASSOCIATION VIN NATUREアソシアション・ヴァン・ナチュールという組織を創設した。この中にピエール・オヴェルノワとかプリウーレ・ロック、フィリップ・パカレなどピエール・カトリーヌ・ブルトン、ピュズラなどが中心的存在となっている。

自然派は、ドーピングなしのワイン造りと云える。
もう一度整理すると、除草剤、殺虫剤などの使用過多による土壌の空洞化、葡萄の品質の低下をカバーする醸造テクニックによるワイン造り、そんな化学物質や過度なテクニックで造った画一的なワインからの脱却と本来の土壌の風味を備えたワインへの回帰を目指した。微生物科学の実験で実証された自然的手法で昔風のワインの味わいに戻したのが自然派ワインの歴史的な出現の流れだったのである。
果汁濃縮器を使用して人工的に濃縮したり、培養酵母を使用し発酵を促進させたり人口的な香りや糖度を上げるための糖分添加。それらを辞めて、純粋でシンプルなワイン造りがマルセル・ラピエールの提唱する活動だった。つまり、栽培上のドーピング的なもの、醸造上のドーピング的なもの両方を辞めて、美味しいワイン造りの技を磨いてきたのが、自然派ワインの歴史的流れだったのである。

すべての自然派ワインが美味しいか?

しかし、すべての自然派ワインの醸造家のワインが美味しいとは限らない。自然に造ったからといって簡単には美味しいワインは造れない。世界中のワイン造りを自然派にするのは不可能だ。大量に製造しなければならない立場にある企業では不可能。また、株式会社化したボルドーやシャンパーニュの企業化した有名ブランドの蔵などでは失敗は許されない。自然派のような危険が多い栽培や醸造は不可能なことは理解できる。
ワインはそれぞれの造りがあって、それぞれの客層をもって成り立っている。

それぞれのワインには、それぞれの存在理由が存在する。
自然派ワインだけがワインだとは思っていない。
それぞれ存在理由があって存在している。

グローバル化と個性化の両極化

今の世相を反映しているように、一方ではグローバル化した味わいにますますなっていき、もう一方ではますます個性化、つまりその土地でしかでない風味、旨味を備えたワインになっている。これは飲む方の選択の問題だ。個人的には後者の自然派ワインが好きだ。

造る人間の感情まで伝わってくるようなワイン、
太陽と土壌のエネルギーをピュアに受け入れて、手造りでしかできないピュアーな味わいがそこにはある。まるで造り手の感情までが伝わってくるようなワインが存在する。 そんな希少性が好きでたまらない。今の地球環境などを考えると栽培だけは、極力自然な方向でやってもらいたいと願う。 飲む人間に勇気と暖かい感情をもたらすワインが大好きだ。

Profile

竹之内 一行(たけのうち かずゆき)

竹之内 一行 (たけのうち かずゆき)

1968年10月生まれ 神奈川県出身。横浜商業高校卒後、レストラン&バーでの修業、
1993年約3週間ヨーロッパへ食べ歩きの旅行をきっかけにワインに興味をもつ。
1996年日本ソムリエ協会ワインアドバイザー修得。その後も都内ワインスクールにてテイスティングの勉強を重ねる。2000年再度渡仏の際に教科書やワインスクールでは、知ることができなかった自然派ワインや地元でしか流通していない真のお宝ワインがあることに興味を持ちはじめ毎年渡仏し現地生産者等と交流を深める。現在、父親が始めた酒販店「エスポアしんかわ」代表。都内等ワイン飲食店にワインの卸や初心者のためのワイン講座等も行っている。

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