お米は「冷蔵庫」で保管しないほうがいい!!

2021年5月15日
お米は「冷蔵庫」で保管しないほうがいい!!

5月ごろは湿温ともに過ごしやく気持がいいですよね。ただ、だんだんと夏が近づくにつれ湿度と気温が上がり、気が付けば、じっとり暑い、本格的な夏が到来します。 収穫からそろそろ1年が経とうとしているお米ですが、春から夏にかけ、倉庫の湿温管理を怠ると、品質が落ち、虫が湧き、大変な事になります。

最近では農協から個人農家まで規模に関係なく、ほとんどの生産地で室温管理ができる低温倉庫という玄米専用の保管庫で管理しています。 当店も、そのように低温保管されていたお米が届いてから劣化しないよう、夏期は倉庫の温度を20度以上、お店は25度以上にならないよう温度調整して玄米を保管し、販売しています。

なぜ25度以下に保つかというと、虫が発生する温度の分岐点らしいのです。 この辺は科学的な根拠が立証されていないのですが、実際にこの条件で保管している当店は販売先から虫の苦情は一切ありません。 温度管理を徹底している小売店の商品には問題発生はありませんが、すべての農家、小売店がこのように管理しているとは限りません。販売されているお米がどのような流通経路を経てきたかは探りようが無いので、一般的な保存方法を詳しく解説していきます。

とは言っても、とても簡単です。 まず、お米の精米年月日(精米時期)の表示を確認ください。精米したてでなくても記載年月日から1ヶ月以内で消費できる量であれば全く問題ありません。

そのお米の保管方法は常温で大丈夫です。 ただ、日陰で風通しがよく、涼しい場所が最適です。

米びつ保管の場合、虫よけ薬剤や唐辛子を入れても出るときは出るので、意味が無く、無駄な出費になります。唐辛子も長い間入れっぱなしだと、虫の発生源になりかねないので気を付けましょう。 その反面、備長炭は湿気や防菌防虫として有効だと思います。 乾いた布に包み、お米の中に入れておくとそれなりの効果が得られます。 ただ、3か月に一度は水洗いし、日干しして、完全に乾燥させれば何度でも使えます。

「お米の保管は冷蔵庫に入れた方がいいのですか」とよく聞かれますが、結論から言いますと、入れない方がいいです。いや、入れる必要はないと言っていいでしょう。

冷蔵庫には鮮度を保つイメージがありますが、家庭の冷蔵庫はお米の倉庫とは違い温度が低すぎ、調湿管理ができないので、出し入れするたびにお米が外気に触れ、温度差による結露で劣化してしまいます。それに、冷えたお米に対して夏場の水温は高めなので、研ぎから浸水にかけて、お米の表皮だけうっすらと固まる澱粉の膜(でんぷんまく)を作ってしまいます。そうなると吸水の妨げになり、炊きあがりの弾力が損なわれ、ふっくらと炊あがりません。なので、常温のお米に冷たい水を使う方が、澱粉が固化することなく給水率が上がるので、炊きあがりのふっくら、しっとり、ツブツブの弾力と甘みが生まれるのです。

よって、お米の消費サイクルが早ければ温度管理する必要性がありません。特に夏場は、こまめに買い足す事が、美味しさを保つ秘訣だと思います。 そして備蓄防災にもつながります。

もし心配でしたら、購入先にお米の流通経路や、仕入れたお米の保管方法を聞いてみるのもいいと思います。

夏場に向け、ちょっとした素材への気遣は、美味しい日常を送れる秘訣かもしれませんね。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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