白米に玄米を混ぜてはダメな訳

2021年3月15日
白米に玄米を混ぜてはダメな訳

ほとんどの方が、栄養価の高い玄米を白米に混ぜて炊くことで、健康的なイメージを持たれることだと思います。最近そのような動機で来店される方が多くいらっしゃいます。でも、この炊き方で玄米を食べても、すべての栄養素が吸収されているとは限りません。玄米は健康というイメージが先行しているせいか、栄養が豊富なのと消化吸収は必ずしも一致しないという考えが抜け落ちているように感じます。
今回の「お米とくらし」では、なぜ白米に玄米を混ぜてはいけないのかを深堀いたします。

まず、水の吸収率と速度の違いです。
白米は表皮が削られ、澱粉が露出しているために、水の吸収率はとてもよく、30分くらい浸水させれば70%以上の水を吸収します。
一方、玄米は、何重にも重なった表皮と微量な油脂分があるために水をはじきます。よって浸水時間は、最低でも1日以上は必要になります。

次は、噛む回数の違いです。
白米はやわらかく噛みやすいので、意識しないと噛む回数は少なくなります。逆に玄米は固いので噛む回数を多くしないと砕けず、必然的に噛む回数は増えます。この対照的な物が混ざっていたら確実に噛む回数は少なくなります。

最後は、消化吸収酵素の話です。
そもそも白米と玄米では、噛む回数が違うので、唾液の分泌量が変わってきます。唾液の中に含まれるアミラーゼという消化吸収酵素が炭水化物を糖化し分解します。甘みを感じるのはこの時です。澱粉は十分に給水していないと、加熱した時に炭水化物に化学変化しないので、体の中で分解が出来ず消化されません。よって、しっかり給水させた玄米でないと、酵素が働かず消化、分解、吸収できないのです。

食べ方によっても差が出ます。カレーライスを思い起こしてください、不思議とお代わりしたくなりませんか。それは水分の多いルーによって、噛む回数が少なくて済み、お米を吞み込めるので、満腹中枢が刺激されません。噛まずに胃に流れ込んだ炭水化物は、唾液の分泌が少ないので消化されず、余った食物繊維は脂肪として蓄積されます。よってお茶づけも、あまりお勧めできない食べ方です。

まして、玄米のカレー、玄米の卵かけご飯、玄米のお茶漬けなどは、噛む回数が一定以上確保できないので消化不良を起こすリスクが格段に高くなります。玄米の特性を理解していればいいのですが、玄米=栄養の塊、とだけ思っている方には避けた方がいい食べ方です。

玄米食をするのなら、白米に混ぜることなく単体で召し上がることをお勧めします。ただ、体質に合う、合わないがありますので、体調を見なかがら食べてください。なんだか体がだるい、疲れが抜けないなど、体調不良を感じた時は必ず避けましょう。玄米を消化するには、水、体力、消化器系内臓の働きがいつも以上に必要になるので、免疫力は低下し、余計に体調が悪化する可能性もあるのです。

白米がいい、けど栄養が、と思った方には「分搗き米」をお勧めいたします。ビタミン、ミネラルなどの微量要素が豊富で、玄米のように消化不良や、食べにくさ、炊き方が難しいなどは全くなく、白米同様、簡単に手早く美味しく炊けるのが特徴です。
消化器系の負担も少なくバランいい栄養接収が可能なので、体力や免疫力向上に最適です。

一言で栄養と言っても、素材の調理方法や、食べ方で含有量、吸収率が激変します。
黒米や赤米などの雑穀も玄米ですから、しっかり給水させ、噛む回数を増やさないと、全く意味のない食べ方になります。体質と、食べ方を知っておくと、より健康的な食生活を送れることだと思います。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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