お米は生きている

2017年12月15日
お米は生きている

お米○○といった肩書のある人よりお米のことが詳しくなれる本の紹介です。
漢字にフリガナが符ってあるので小学生以上であればだれでも手軽に読むことができます。

この本のタイトル「お米は生きている」とは一体どういうことでしょうか。
このウェブマガジンのタイトルにもなっている「お米と暮らし」も同じニュアンスでとらえていただけると光栄なのですが、お米は美味しいとか美味しくないとかそんな単純な嗜好品ではありません。日本人の歴史と文化の基盤を築いてきた大切な産物です。
日本の稲作は縄文時代すでに行われていて、岡山県で発見された土器の中からプラント・オパール(稲の細胞の化石)が実に3500年前のもの、4500年前のものと発見されているようです。

西暦が始まるはるか昔より日本人の食生活を支えてきたお米、それは食料の概念ではなく日用品や環境保全とのつながりを持ち、もみ、稲藁、糠は廃棄する場所がなく様々な形へ変化し今でも生活の中に根付いています。協調性や相手を思いやる心のように日本人特有のコモンセンス(共通感覚)も稲作農業から育まれた国民性と言われています。世界で起きている紛争や宗教問題がいかに日本人の感覚とかけ離れているか理解できると思います。

そこでタイムリーな話題から、お米が深くかかわっている意外な一例を紹介させていただきます。それは"すもう"と"お米"のつながりです。

すもうは弥生時代の昔から豊作を祈って神にささげた祀りとされています。奈良時代に天皇の前で試合をするようになり今に至っているそうです。その舞台となる土俵ですが、土俵は米俵に土を詰めて作り、その中にはお米を埋めます。土俵の丸は天を表し、外の四角は地を表す。その中に力士が入り天と地と人が一体になるという神聖な儀式の要素も含まれているそうです。お気付きになられたと思いますが土俵の俵は一俵二俵とお米の単位を表す漢字が使われています。(一俵=60㎏)

そう考えると、すもうが単なるスポーツではなく日本の長い歴史から生まれた伝統文化という解釈が正しいのだと思います、行司の軍配も昔は天下泰平や五穀豊穣と書かれていたそうですから、力士は勝負の世界とは言え謙虚さや尊敬の念などお互い(万物)を尊重しあう日本人の精神性を兼ね備えるのだと感じています。

まだまだ私たちの生活に根付いている「おこめ文化」。日本の四季や田園風景がいかに「お米」と深くつながっているかを少しでも知っていただければ幸いです。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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