有機栽培は無農薬栽培なの!?

2017年10月15日
有機栽培は無農薬栽培なの!?

最近、お米以外でも野菜や果樹、輸入品までJAS有機栽培の農産物を見かけます。ファーマーズマーケットのように生産者の直売イベントでは栽培表記が必須ですよね。

そこでJAS有機栽培、無農薬栽培、減農薬栽培、慣行栽培(普通の栽培方法)はいったい何が違うのか。有機栽培は無農薬栽培だから体に良い。減農薬栽培であれば安心感もあって経済的。栽培は気にしない。と、イメージが先行し厳密なガイドラインを知らない方が多いと思います。そこで簡単にお米の栽培基準を説明いたします。

まずは「JAS有機栽培」。もちろん農薬は使わない、有機肥料を使い化学肥料は使わない、有機農産物栽培の認定機関に認証されている物を言います。最近は肥料も使わないで自然の力で栽培したお米も存在します。お米のように販売先がパッケージする場合は、販売店で有機農産物取り扱い業者認定を受けないとJAS有機栽培と表記して販売できません。JAS有機栽培農産物の取り扱い講習義務もあり厳密に管理されます。

次は「特別栽培米」。無農薬栽培してもJAS有機農産物の認証を取得していないとこのカテゴリに分類されます。肥料は有機で農薬を少しでも使えば減農薬栽培米となります。基本的に農薬、化学肥料の使用量は慣行の5割以上減なのですが、基準は都道府県毎にゆだねられているので全国一律ではありません。これは各地域の土壌環境や気象条件の違いによる栽培方法の多様化があるからだと思います。山形県のお米「つや姫」のように、エコファーマー認証を得ている生産者しか栽培できず、種子の提供数も栽培面積も限定され一定の品質以上に栽培されないと出荷できないお米も存在します。

最後に「慣行栽培」、これは特に規定なく一般的な栽培を指します。だからとって化学肥料や農薬を大量に使っているわけではなく、認証を得ていないだけで現代の稲作栽培は減農薬栽培に近い形で栽培されています。

有機肥料を使っても農薬を使えば無農薬ではなくなります。農薬不使用でも化学肥料を使えば有機栽培ではなくなります。よって有機肥料を使ったからといって無農薬栽培とは限らないという事になります。有機栽培と化学肥料の違いは土壌の微生物が有機物を分解し無機にするという過程があるかないか、簡単に言うと微生物の力がJAS有機栽培で、化学の力が特別栽培だと思っていいでしょう。 何を選ぶかはそれぞれの考え方やライフスタイルによりますが、分搗き米や玄米食の方には特に、有機質の強い土壌で育てられた微量要素たっぷりのJAS有機栽培米おすすめします。きっと穀物の力強さを感じることでしょう。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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