ヌカ床の話

2016年12月15日
ヌカ床の話

熟成された糠床に旬の野菜を漬け込む、栄養価も高く体に美味しい発酵食品。
今の季節ですと大根やカブが美味しく漬かるでしょう。沢庵も乾燥させた大根を糠に漬けて作りますから糠漬けになるのでしょうかね、とにかくバランスの良いヌカ漬けは日本人が生んだ知恵の発酵食品です。

その前に"糠(ヌカ)"って、そもそも何から出来ているのかご存知ですか。ほとんどの方はご存知だと思いますが、鮮度がある事はあまり知られていないようです。

玄米を削って出た粉ですから精米した瞬間から酸化が進みます、油分も含んでいますから分解も早く1週間以内に使い切ることが大切です。よってスーパーマーケットで手に入れることはなかなか難しいでしょう。

ヌカ漬けを美味しく漬ける秘訣は精米したての新鮮な生ヌカを使う事です。もし使い切れない場合は煎ると日持ちします。煎りヌカは香ばしくて香りが良くなりますが、酵素が熱によって破壊されるので栄養素が野菜に還元されなくなります。ヌカ漬けの栄養価を高めるのには酵素が必須だと言われています、ただこの辺は使い分けるといいかもしれません。

ヌカの栄養分、ビタミンやミネラルが漬けた野菜にしみ込み乳酸醗酵しているので乳酸菌までも一緒に摂取できる。日本人が発明したリサイクル発酵食品です。

なぜリサイクルかというと、ヌカは玄米を精米した時に皮が削れて粉となって出ます。
白米と同時にヌカも出来るということですが、人の体に有効な様々な物質が詰まっている部分が胚芽と表皮になります。白米は炭水化物、ぬか漬けはビタミン、ミネラル、塩分、乳酸菌が摂取できるのでバランスがよく体調維持につながります。

ちなみに江戸時代の話ですが、腹を下した時、糠床をお湯に溶いて呑んで調整剤として使っていたそうですよ、糠の微生物が腸のバランスを整えてくれたのでしょうね。

余談ですが、もち米のヌカではヌカ漬けが出来ないからないそうです。

気温が下がり雑菌の繁殖が抑えられるこの時期マイ糠床を持っていない方はチャレンジしてみてはいかがでしょう?

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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