早熟は早老

2016年10月15日

「人間の栄養学を求めて」という本があります。私事で恐縮ですが現在受講中の小児食生活アドバイザー無期限コースの課題図書がありまして、その中の一冊なのですがいまや絶版にて入手困難、ネットで中古販売されていますが16800円と驚きの価格。
個人的に著者の執筆作業や労力に還元できるようにと本はなるべく中古で購入にないようにしているのですが、古書や絶版本は仕方ないので古本店より購入します。しかし今回は価格が価格なだけに、いったいどんな本なのかと思いながら矢も得ず図書館にてレンタルしました。ちなみに武蔵野市図書館での取り扱いは無かったためリクエストして多摩市図書館からの越境本でした。よって2週間という期間限定、暇を見つけては読み倒すという慌しさの中でなんとか期限内に読破できたのですが、中古価格が物語っているように健康という概念が理論整然と書かれた内容にもう少しじっくり読みたかった本でした。
健康関連ビジネスに関係している方もそうでない方も、是非読んでもらいたい、健康という概念を矯正するためには最適な教材だと思いました。

さて、現在の栄養学は人間が中心の考え方だと本の中にありました。栄養といわれると漠然とした健康イメージが選考しますが、自然環境の中では人間も循環の中の一生物という観点で考えた時、どうイメージしますか。
例えば同じトマトでも、雨水を森林がろ過し、その水で食物連鎖のある健康な土壌で微生物が沢山育んでいる畑で育った物と、ハウス栽培のように人間に管理され季節関係なく育った物、完熟してから収穫した物、流通に乗せるために完熟前に収穫した物、もっと言えば収穫されてから店頭に陳列されるまでの移動距離や時間差。姿かたちが同じでもその中の成分は栽培のイロハで確実に違ってきます。昔のトマトは思わず目を閉じてしまうくらいスッパイ印象だったように、いまやトマトだけではなくは人の手で改良された生産物が主流です。素材に含まれる栄養素はその物だけで見るのではなく品種や育った環境と収穫方法を考慮する事が本来の栄養学だと学びました。

いま、お米の世界も新品種が続々開発され世の中にデビューしています。地方創生ということで産地が付加価値を演出しマーケット重視の栽培になりつつあります。
本来の生物学的観点は自然からの恵みに対しての恩恵こそが純粋な栄養素となります。私たちの遺伝子は数億年から数千年単位という途方もない年月をかけ自然環境に順応してきた経緯を考えると、あまりにも早く変化する種子ビジネスに私たちの体は対応できているのだろうかと考えてしまいます。遺伝子組み換え作物の影響も今後の課題になるかもしれない事を考えると、長い間生きながらえてきた原種と付き合うほうが自然で、体に対しての影響力は大きいように思います。地球上生物の途方もない長い営みを感じながら健康と向き合う事が未病という本来の健康ダイエット法であろうと思いふけっています。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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