新潟のコシヒカリはコシヒカリじゃない!? 第5回

2014年4月27日
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宮城県の有名な品種に「ササニシキ」があります。栽培が難しいのと、需要が低迷しているために、年々栽培量は減っています。ただ、コシヒカリのような粘りが強くないために寿司米には好まれる品種でもあります。そして、たんぱく質の含有量なのか科学的根拠は証明されていませんがアレルギー体質の方に好まれる傾向があります。

しかし稲は倒れやすく、いもち病に弱い、気象被害も受けやすいという短所は被害を受ける年を多発させました。そこで平成6年「ササロマン」という品種が登場します。じつはこれは「BLササニシキ」なのです。ただ従来ササニシキの需要が落ち込んでいる中での登場でしたので、販売不振に陥り現在ではほとんど栽培されていません。新潟の「BLコシヒカリ」と明暗を分ける形になりました。

そもそもなぜこのように様々な品種が改良され、新品種が増え続けているのでしょうか。
それは、生産効率と食味が向上しても、私たち日本人がお米を食べなくなったのが最大の理由だと思います。農水省のホームページで日本人の一人当たりのお米の年間消費量を調べると、昭和35年は115kgでしたが、平成15年は59.5kgに減少していると出ています。最近では、パンの購入代金がお米の購入代金を上回ったといったニュースがありました。
なぜお米を食べなくなったのか、戦後の栄養改善運動やフライパン運動、経済発展が最大の理由とされています。お米を食べると「太る」や「バカになる」などの間違った情報が蔓延し「頭脳パン」といった奇怪な商品まで登場しました。

その結果、欧米化されたカタカナ料理が増え、いまや日本国民の4人に1人が予備軍含め生活習慣病です。減反政策により価格の安定や余剰米を出さないようお米は生産調整されていましたが、今後5年かけて廃止すると先日政府が発表しました。日本の歴史上、政府がお米を管理しない農業政策は初めてではないでしょうか。業界では価格の暴落と生産農家の激減が懸念されています。

近い将来、世界人口の増加や異常気象により食糧難が訪れると試算されている事も考えると、少しでも日本人が日本のお米を中心とした食生活に戻ることができればグローバルな社会問題に巻き込まれず、付随した国内問題も解決しそうです。そのためにも生産者は消費者のニーズに合わせお米を栽培し、今までにない価値観で地域性を色濃く出す試みに力を入れ、品種だけで勝負するのではなく栽培技術で勝負してもらいたいと思っています。

Profile

金井 一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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