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  • ヘッセ田園都市

きたかぜとたいよう

2021年10月26日
「きたかぜとたいよう」

『きたかぜとたいよう』
作者不明

絵本の古本屋には基本的に
二つの柱がある
一つはもちろん、絵本を売ることである
そしてもう一つは絵本を
買うことである
書店や古書店での修行も全くなく
未経験からある日突然絵本の古本屋を始めた僕は
古本屋を始めるときに、「どう売るか」ばかり考え
「どう買うか」は殆ど考えて来なかった
面陳しよう
カテゴリーでわけよう
作者で分けてみよう
平置きしてみよう
毎日色々な方法を模索する
が、続けてみて思うのは
よい絵本を売ることは、実際そんなに難しいことではなく
よいな、この絵本、と思った本は黙っていても数日か数週間でちゃんと旅立ってゆく
難しいのは
そのよい絵本をどう仕入れるかである
そしてよい絵本の古本屋になるには
その仕入れがほぼ全てなのだ
ヨーロッパなどへの買付けの旅もあるが
古書組合などに加盟していない当店の基本は
買取りである
さいわいオープン当初より
本当に多くの方に絵本を譲って頂いた
今もまだ当店が続いているのは、間違いなくそのおかげである
「ここにあると絵本が輝いて見えるから」
「次の方に引き継いで下さい」
「お墓までは持っていけないからね」
「お店をやめることにしたので」
など、その事情は様々だ
お宅に直接伺うこともあるし
全国各地
遥か海を越えて送って頂いたこともある
7年ほど絵本の古本屋をやっているし
40年以上絵本と触れながら生きて来たが
それでも驚くほど知らない絵本と毎回毎回出会う
買取りの度に
新しい感動と
新しい知識に触れる
買取りの度に
お客様に育てて頂く
仕掛け絵本について教えてくださる方がいる
ヨーロッパの絵本について教えてくださる方がいる
児童書について教えてくださる方もいる
当店にやって来る絵本によって
当店は成長し、形作られてゆく
例えではなく
古本屋というものは
お客様に育てて頂くのである

そして
そんな買取りの中でも
なんだこれは!?
というものとたまに出会う
そこに価値を見出すかどうか、
度胸を試されるような絵本
個人的に一番記憶に残っているのは
ディック・ブルーナ作
『うさこちゃんとうみ』
こちらには
最後見返しのページに
持ち主の子ども自作の続きが付けてあった
「でも おうちまでかえるとちゅうで うさこちゃんは ねむくなりました」
で本来は終わるのだが、確かにあれ?終わりかな
ともう1ページめくりたくなるような終わりかただ
自作の続きにはちゃんと帰宅するところまでが描かれている
これは素晴らしかった
はい、おしまい
に納得しないことだって、当然あるんだと
おしまいのその後が、その子の中で続いてたりするんだと
気付かされた一冊
文字通り、この世にたった一冊しか存在しない絵本だった

チェコ買付けで出会った
『UKRADENY ORLOJ』

UKRADENY ORLOJ

ぼろぼろになった表紙に、自作で
文字と絵が新しく貼り付けてあったもの
こちらはまずクオリティが素晴らしかったし
絵本に落書きしたり
絵をなぞってトレーシングしたり
時には切り取ったりして遊ぶ
チェコ独特の、本に対する自由さの象徴のような一冊だった

そして最後にご紹介するのが最近出会ったこちら
50年ほど前に
誰かが作った絵本
『きたかぜとたいよう』

きたかぜとたいよう

こういう子どもによる自作絵本自体は珍しくはないので
にこやかに読んだあと、スルーしたいところだったけれど
この北風がどうにも引っかかった
太陽はわかる
丸の中に顔
子どもがよく描くタイプの太陽だ
でもこの味のある北風は一体なんだろう
ページをめくってみたら
上から吹くところもよいし
よく見たら風の口も
人のサイズも、一度描き直している

きたかぜとたいよう

そうやってじっくり見ていくと
タイトルを太字にしたのもグッとくるし
手描きの絵本ならではの魅力がそこかしこに詰まっていて
色々吟味された結果
こちらは無事当店の本棚に並ぶことになった
そういえば
子どもにとって
絵本は読むものであると同時に
たまに描くものでもあったりしたな
そんな大切なことを
思い出させてもらえた、愉快な一冊だった
今月は
絵本の古本屋ならではの
少しイレギュラーな絵本たちをご紹介致しました

追記
絵本の古本屋にとって
同じ絵本は一冊としてなく
タイトルが同じでも
誰が読んだか
誰のものであったかによって全然違う
同じ『いないいないばあ』でも
これは50年前に
ちいさな手がめくったいないいないばあ
こちらは赤ちゃん生まれた次の日に
おばあちゃんが贈ってくれたといういないいないばあ
ここにほら
噛み跡がある
ほら
こちらはページが取れそうなくらい読まれている
おや
こちらは新品同様だ
みんなおんなじ『いないいないばあ』だけど
みんな違う『いないいないばあ』だ
その全てが
再び誰かの大切な一冊となるよう
今日もまた
絵本を磨くことにする

Profile

冨樫 チト(とがし ちと)

冨樫 チト (とがし ちと)

本名である。フランス童話「みどりのゆび」のチト少年にちなんで両親から命名される。富士の裾野の大自然の中、植物画と読書と空想の幼少期を過ごす。
早稲田大学在学時よりプロダンサーとしての活動を開始。
舞台演出、振付け、インストラクター、バックダンサーなど、踊りに関わる全てに携わる傍ら、持ち前の遊び心で、空間演出、デザイナー、リゾートホテルのライブラリーの選書、壁画の製作、ライブペイントによる3Dトリックアートの製作など、無数のわらじを履く。
2015年2月、フランソワ・バチスト氏として、住まいのある吉祥寺に絵本児童書専門古書店、「MAIN TENT」をオープン。
氏の部屋をそのまま移動させた小さな絵本屋から、エンターテインメントを発信している。

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