ツバメ号とアマゾン号

2016年6月28日
「ツバメ号とアマゾン号」

「ツバメ号とアマゾン号」
アーサーランサム
岩田欣三、神宮輝夫訳
岩波書店

地図が描いてある本は
大体面白い
過去の読書の経験から導き出された
一つの法則
エルマーしかり
ゲド戦記しかり(原作は最高に面白いのです)
たのしい川べ
トンカチと花将軍
みんなみんな表紙を開くとその裏に
吸い込まれるような地図が描かれていて
海にはくねくねした竜がいたり
怪しい名前のついた森や
火を噴く山
そして端っこのほうに
時代を匂わせる方位磁針が描かれている
まだ旅していない段階ながら
読者は皆このページを見ながら
これから始まる冒険に胸を躍らせるだ

「ツバメ号とアマゾン号」
アーサーランサムによる全12巻のこの大冒険にも勿論
ちゃーんと地図がついている
出会いは2年前
絵本の古本屋を吉祥寺にひらくにあたって
自分のお気に入りのお店に
お勧めの絵本を訊いてみよう
そう思い立って
ノートを片手にクセのある吉祥寺のお店を訪ねたのだ
大正通りの花屋4匹のねこさんのお勧め
田島征三さんの「猫は生きている」
をメモしながら
次に訪ねたのが姉妹で経営されているイルカフェ
そこでお勧めされたのがこの
アーサーランサム全集の中の一冊
「海へ出るつもりじゃなかった」
およそ図書室にある本は全て読破したつもりでいたが
この全12巻というボリュームに怯んで触れずに大人になってしまったシリーズ
早速本屋で購入し
読んでみたのだった

舞台はイギリス
夏休みを湖畔で過ごす一家の物語
湖には小さな無人島があり
ウォーカー家の4人の兄弟は数日間をその無人島にテントをはり
自分たちだけで過ごすのだ
(なんて羨ましい)
楽しい魚釣り
自分たちのヨットツバメ号で走り回る湖
アマゾン号との対決
どろぼう退治
そして嵐
子どもたちだけの大冒険
それを対岸で見守る母親
(この母親の子どもたちへの関わり方信頼の仕方、手の差し伸べ方が最高にかっこよい)
そして物語の軸となるこの家族の方針をあらわすのがこれ
彼らの冒険を許可するという意味の
父親からの電報の1文
「オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ」
冒険物語として読むもよし
成長物語として読むもよし
教育とは
成長とは
休暇とは
考えるもよし
子どもの目線は勿論
大人の目線からも
夏休みの過ごし方として最高のお手本になるはず

読まずに大人になったことを後悔した一冊
今読んでも勿論面白いが
あのとき
あの当時の自分が読んでいたら
どれだワクワクしたか
残念でしかたない一冊
アーサーランサム
「ツバメ号とアマゾン号」
フランソワ・バチスト氏がご紹介いたしました

Profile

冨樫 チト(とがし ちと)

冨樫 チト (とがし ちと)

本名である。フランス童話「みどりのゆび」のチト少年にちなんで両親から命名される。富士の裾野の大自然の中、植物画と読書と空想の幼少期を過ごす。
早稲田大学在学時よりプロダンサーとしての活動を開始。
舞台演出、振付け、インストラクター、バックダンサーなど、踊りに関わる全てに携わる傍ら、持ち前の遊び心で、空間演出、デザイナー、リゾートホテルのライブラリーの選書、壁画の製作、ライブペイントによる3Dトリックアートの製作など、無数のわらじを履く。
2015年2月、フランソワ・バチスト氏として、住まいのある吉祥寺に絵本児童書専門古書店、「MAIN TENT」をオープン。
氏の部屋をそのまま移動させた小さな絵本屋から、エンターテインメントを発信している。

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