おやすみなさいコッコさん

2021年4月26日
「おやすみなさいコッコさん」

『おやすみなさいコッコさん』
片山健 さく・え
福音館書店

これは
魔法についての話。
科学では解明できない
不思議な出来事のお話。
本というのはそもそも不思議なもので
その小さな四角の中に
猫やら犬やら竜やら、泥棒にお城に地下迷宮に宇宙まで
ありとあらゆるものを詰め込むことが出来る。
今も、5000冊ほどの絵本でぎゅうぎゅうの本棚を眺めながら
これは今は大人しく本棚に収まっているが、
いざページを開いたらどれもこれも大変だな
この本棚に並ぶものたち全てに物語が詰まっているって
実はとんでもないことだな
などと考えている。

僕が今日するのは正真正銘、
魔法の絵本の話だ。

『おやすみなさいコッコさん』
片山健 さく・え
福音館書店

魔法使いは、出て来ない。
魔女も、出て来ない。
まだまだ眠りたくないちいさなコッコさんのぐるりのものたちが
ページをめくる毎に
「そらのくもも」
「いけのみずも」
「とりも」
「ふとんも」
「おてても」
次々に眠ってゆく。
それでもコッコさんは
「ねむらないもん」
「ねむらないもん」
と言いながらもうつらうつらし、
ついに最後、両の手をあまく握り、万歳しながら眠りに落ちる。
そんなお話。
そう
ただそれだけのお話。
でも
この絵本はまごうことなき、魔法の絵本なのだ。
この絵本を読めば、読み終わる頃にはどんな子も眠ってしまう...なんてことは勿論ない。
実はそんな絵本は世の中に存在しない。
けれども、『おやすみなさいコッコさん』を開いて、
不思議ににじんだシャボン玉みたいなあの雲が出てくるときにはもう、部屋の空気は変わっているのだ。
見えない何かが部屋の中いっぱいに広がるのだと。
魔法の呪文は、こう始まる。
「もうよるです」
この言葉はきっと、両手に抱えた温かいココアを吹く息のように
カラダのなかからふうわりと出てくる。
これはもう必然だ。
誰が読んでも、あの絵を前にしたらきっと
僕らと同じように、まるで溜息をつくように
空気と一緒に声が出て来るはず。
そういう始まりだ。
そしてページをひらく毎に
世界はゆっくりと眠りにつく。
それはだんだんと家に近づいてきて
犬小屋を通り
突然隣の部屋で寝ているお兄ちゃんのところまでやってくる。
ここで眠りは急に、どこか遠い場所の話から、自分の話になる。
さあ、眠りはふとんのところまでやってくる。
いつも一緒の友だちのぬいぐるみを寝かせ
もそもそ動いていた手の力をゆるりと奪い
ついにコッコさんを眠りにつかせる。
もし、運良く最後の
「おやすみなさいコッコさん」
のところで我が子が眠りについたら
きっと絵本の世界と現実は繋がり、
「ああ、子どもが出来て、おやすみ前の読み聞かせってこんな感じかなあ。」と独身時代に想像していたような、家族ドラマのようなしあわせを味わうことが出来るはずだ。

さて、魔法とは何だろう。
少し話が飛ぶが、今ストリートダンスの世界では、Dリーグというプロダンスリーグが発足し、リーグ戦を戦っている。
殆どが20代の若者の中1人、圧倒的に最年長30後半のCANDOOというダンサーがいる。
彼がまた、魔法使いである。
およそ殆どのダンサーは当然、TVという箱の中から出ては来ない。
皆四角い箱の中で、超絶な技術を魅せてくれている。
それはもう、文句のつけようのない素晴らしいダンスだ。
だがCANDOOはちょっと違う。
彼が踊ると、画面という壁が消える。
我が家のリビングに、気付いたらCANDOOがいるのだ。

「おやすみなさいコッコさん」

左が普通のダンサー。
右が魔法使いCANDOOだ。
よいダンサーとはこういうことを言う。
波動と言ったりもする。
舞台では、実際の距離に関係なく、客席の1番後ろまで踊りを届けることが出来る。
物体としての距離の制約を軽々と超越する。
『おやすみなさいコッコさん』も同じだ。
世界が絵本の中だけでなく、自分のぐるりにも広がっている。
魔法の絵本だ。

主人公はコッコさん。
片山健さんの娘、小都子さん
表紙でコッコさんが開いているのは
ペチシカの『りんごのき』
絵はヘレナ・ズマトリコヴァー
チェコを代表する絵本作家の名作。
魔法の秘密の一つでもある、この淡い色彩は
片山健さん初の水彩絵の具。
個人的にはきっとこの「初めて」というところにやはり、魔法がかかるきっかけがある気はする。
物理的な距離を飛び越え
時間や時空をも飛び越える

思い返せば昔から
本をひらくと
いろいろなものが飛び出してきた。
本には二つのタイプがある
本の中に、吸い込まれてしまう本
本の中から、みんなが飛び出してくる本。
どちらにしろ
本は
現実と非現実のあいだのトビラだ。
僕がその門をくぐるか
その門をくぐってみんなが出てきてくれるか。
とりあえず、
クッキー缶のように素直にクッキーが入っていてくれるわけではない、厄介な存在だ。
小さい頃僕の目の前にあった絵本たちは、みなそんな魔法の力を持っていた。
開いた途端に、ぐるりの景色はいつも変わった。
だがナルニアやゲド戦記を読み終え、
読書が次の段階に入る頃には
いつの間にかその魔法の力を失う。
地球は丸いことを知ったり
太陽は空にあいた穴ではないことに気付いてしまったのだ。
けれども、コッコさんは
大人になった僕らにも
魔法をかけてくれる。
そんな特別な一冊。
今月は『おやすみなさいコッコさん』をご紹介しました。

自然派ワイン(ナチュラルワイン)が楽しめるお店
木と(目黒区・学芸大)

2021年4月 5日
自然派ワイン(ナチュラルワイン)が楽しめるお店

木と(目黒区・学芸大)

BioWine_sub1東急東横線・学芸大駅より徒歩4、5分の線路沿いに2018年にオープン。
L字型のカウンタ―席が10席のこじんまりとしていたワインと気の利いた美味しいおつまみが楽しめるお店です。

「木と」という店名の通り素朴で暖かみのある木材を基調としたカジュアルで少し和のテイストのある居心地のよい空間。木とワイン、木とお料理、木と人、木と~、木とともに気持ちいいい何かがここにありますようにという思いのこもった店名だそうです。


BioWine_sub2お一人様の常連さんも多いのですが暖かいお客様が多く初めて同士でもすぐ会話が弾んでしまいます。お一人様のお客様が多いのが納得できるのがおつまみメニュー。200円の煮卵があったりメニューの価格帯は500円~600円が多い。ワインがすすむおつまみが嬉しい。なつかしのミートローフや季節の野菜のピクルスやラタトゥイユなどの定番メニューや旬な素材をつかった気まぐれおすすめメニューも楽しみ!新生姜の佃煮がナチュラルワインとピタッときたのは楽しかった!

選べる3種盛りや少しお得なおまかせの3種盛りなどひとりで多種を少しづつつまみたい人にも優しい。
しっかりゴハンを食べたい人にもパスタやガパオ、スープごはんなんかもあって嬉しい。


BioWine_sub1ワインもグラスで8~10種程たのしめるがボトルで頼むと驚くほどお買い得な価格!
2人以上で呑兵衛達だとボトルがおすすめ!美味しいと納得して厳選されたワインが並ぶ。



BioWine_sub2店主の上野さんは同じ学芸大のLESSONというお店で飲食のお仕事をスタート。
その時代からのお客様も多く上野さんの穏やかで優しいお人柄と絶妙な距離間と間が本当に居心地がいい。いい空気がいつも流れているお店です。
一度訪れればあなたもついつい仕事帰りに寄ってしまうでしょう~!



住所:東京都目黒区鷹番3-4-13 笹崎ボクシングビル1F
TEL:03-3710-1515

席数 カウンター10席
営業時間: 月~金: 17:00~24:30  土: 15:00~24:30
※時短要請時、緊急事態宣言中等の再は変更あり ホームページ、SNS等にてご確認ください。

定休日:日曜日、第三月曜日
アクセス:東急東横線 学芸大駅下車 徒歩5分

1