くんちゃんのはたけしごと

2020年12月25日
「くんちゃんのはたけしごと」

くんちゃんのはたけしごと
ドロシー・マリノ 作
まさきるりこ 訳
ペンギン社

よい絵本
というものがある。
絵本の専門店が
よい絵本とはこれだ!
と断定するのは
とても危ういことだと思う。
「じゃあ他の絵本は駄目なのか?
それぞれの絵本にはそれぞれのよさがあるじゃないか」
勿論その通り。
それを踏まえた上でやはり
よい絵本というものは存在する。
言葉にするのはとても難しくて、誤解を招きやすい。
誰かを傷つけることなく
誰かの作品を貶めることなく
ワインの味を表現するみたいに
書いてみたい。

*まず絵本は子どものものである。
「大人の絵本」「大人こそ読みたい絵本」のようなものはあるとしても
やはり絵本とは子どものものである。
お店にいてもよく
「これは大人向けの絵本ね」という言葉をよく耳にするが
それは大人の中にある子どもの部分
マトリョーシカの中のほう
そこに向かう絵本なのではないかと
個人的には思っている。
そう言えば、チェコには絵本作家という概念はないそうだ。
あるのはイラストレーター、絵描きという概念だけ。
相反する概念のようだが
絵本は子どものためのもの

絵本作家というカテゴリーはない
というのはどちらも同じ根っこのような気がしている。

大人が、子どものために、
もてる知識、経験、才能を総動員した創作物
『絵本』

*大切なものはやはり、「観察」だと思う。
・じっと子どもを観察する。
例えば韓国の絵本『よじはんよじはん』
『くんちゃんのはたけしごと』などのくんちゃんシリーズなどは
子どもという最高に面白いいきもの
その日常の中から生まれた作品だ。

・長い時間をかけ、動物を観察する。
中谷千代子さんの『かばくん』
ロジャンコフスキーの『野うさぎのフルー』は、長い時間をかけて動物たちを観察した中で、その動物たち自身の中きら生まれた作品だ。

・季節の移り変わりを注意深く観察する
ジョン・バーニンガム『はるなつあきふゆ』
ピーター・スピア『なつのくも』
シャーロット・ゾロトウ『のはらにおはながさきはじめたら』
とどまることなく、時に大きく、時に少しずつ変化し続ける自然
よい絵本の答えはほぼ、その中にある。

*子どもの何が面白いかって、凄まじいスピードで変化するから。
一年前とは全然違う
一月前とも全然違う
午前中とすら全然違う
下手すると一秒前とも違う
絵本はもともと彼らの中にある。
その宝物をちょいと外に出してあげて
本の形にしてあげる。
初めて鏡を見た時のように
絵本の中に自分たちを発見して
みんな夢中になる。

例えば我々ダンサーが音楽を聴くときは
一つのまとまった曲として聴くのと同時に
ドラム、ベース、ボーカルなどを全て分けて聴く。
その場で初めて聴いた曲にも即興で対応出来る秘密は、そこにある。
人が手と呼んで動かしている部位は我々は
肩甲骨、僧帽筋、肘、手首、みぞおちあたりまで分けたり繋げたりしながら動かしている。
料理人だってきっとカレーを食べても
牛肉とジャガイモと玉ねぎと、隠し味にリンゴと...
と分けて考えるに違いない。
宮崎駿さんの半径3メートルの話も同じ。
観察する。
時に望遠鏡を、時に虫眼鏡を
時にタイムマシンを使い
観察する。
イシュトバン・バンニャイの『zoom』や
かとうあじゅ『じっちょりんのあるくみち』のように。
答えはそこにある。

例えば娘のおもちゃ箱には
ひろってきた石がたくさん入っている。
きれいなまるいやつでなく
駐車場のコンクリートの破片。
それはときにスープの材料になり
ときにただ水面に放られるだけの石ころになる。
完成した玩具ではあまり遊ばなくなってきたこの頃
成長というものは面白いな
と観察している。
そしてふと最近気付いたのは
それと同時に
モノクロの絵本の世界に入れるようになってきたこと。
『もりのなか』や
『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』など
ロングセラーにはモノクロの絵本が多いことは知られているけれど
やはり幼児期の絵本やエリックカールなどの影響で
絵本はカラフル!
色彩豊かな絵本がよい絵本!
という概念が強い気がする。
けれども
最近娘が読む絵本は
『くんちゃん』シリーズも
『アラネア』も
視覚的には色のない世界
ここが楽しめるようになるのと
既成の玩具ではないドングリや葉っぱや石ころで
想像力で遊べるようになってきたこと
ここに何らかの関係があるのではないか。
小さなからだの中で生まれる変化を
愛おしく思いながら
あれこれ考える。
よい絵本とはの答えは
この小さなからだの中につまっている。
この小さなからだを包む世界の中に散らばっている。
それを我々は、仏師運慶のように
丁寧に取り出したり
孫悟空の元気玉のように
少しずつ力を借りる。
そういうものなのではないかと
最近思う。
そして、正直に言えば
『くんちゃんのはたけしごと』を読めば
よい絵本とは何か
の全てが詰まっている。
2021年は、どんな絵本と出会えるのだろうか
楽しみにしながら
今年最後の絵本紹介を終えさせて頂きます。
ありがとうございました。

自然派ワイン(ナチュラルワイン)が楽しめるお店
ビートイート(世田谷区喜多見)

2020年12月 9日
自然派ワイン(ナチュラルワイン)が楽しめるお店

ビートイート(世田谷区喜多見)

小田急線の喜多見駅からほど近いマンションの地階にナチュラルワイン好きはもちろん美味しいもの食べるために遠方からも多くのお客さんがやってくるカウンター6席のみのジビエ料理とスパイス料理のお店がある。

BioWine_sub1店名は「ビートイート」。店主の竹林久仁子さんは料理人かつ猟師でもある。お休みの日には北海道や群馬などに狩猟に行く。自分で仕留めた食材を即座に血抜き解体をしてお店で提供している。処理の仕方も重要だが仕留め方でも肉の味は大きく違ってくるそう。
過去には同時に2匹の熊に遭遇して「もう終わった・・・。」と思ったというほど危険な体験もあったという。
実は竹林さん、マクロビオテックのインストラクターの資格をもち教室を開いていたこともある。勝手な思い込みで玄米菜食主義の方が何で狩猟を始めたのか聞いてみると、本来のマクロビオティックは、食事に陰陽の概念を取りいれたものであって自然の流れや秩序に沿って過ごすというようなことが教えなのだそう。


ではなぜマクロビオテックをはじめたのかを聞いてみると、10年以上前に大きな交通事故で車椅子生活になってしまいリハビリを頑張っても体重や回復の度合いがなかなか思うようにいかなかった。食生活においてマクロビを勉強していかに自分の体の中に採り入れるものが重要かを知り勉強した。それ以来自分で食べるものに関してどういった素性のもなのかを知りたいと思う。野菜などは割と自然なものが手に入りやすいがお肉は市販の肉でオーガニックなものはあまり手に入りにくかった。それなら捕りに行っちゃえばということで狩猟の道へ。

BioWine_sub2そしてリハビリの際にヨガに出会い、それからインドへの興味も沸き現地へ。スパイスへのの探求心も増えていき帰国後にインドの伝統的医学「アーユルヴェーダ」をベースにしたスパイス料理研究の第一人者、香取薫さんに師事。
エゾ鹿のキーマカレーは穏やかながら旨みがジワーッとやってくる!



BioWine_sub3ビートイートで食べれる食材は彼女が安心して食べらるものだけ。「自然な山にいた鹿や猪、熊などは食べても体が大丈夫みたい。」
アルコールもあまり飲まなかったけどナチュラルワインなら大丈夫だった。日本酒も無農薬の酒米を使ったものを揃える。



BioWine_sub4現在はランチはカレーメニューが基本。予約でイートインとテイクアウトが可能。
夜はジビエのコースのみ。季節によって食材も変わり魚介などの食材も積極的にとりいれている。繊細な火入れの鹿のローストや熊肉のしゃぶしゃぶなども絶品!野生の肉の脂身の美味しさったら衝撃。真っ白な脂身だけのようだけど軽くて旨みが濃い!もちろん〆はカレーで!

ここの料理を食べていると体が喜んでいるのが分かる気がする!


席数 カウンター6席
営業時間: 18時30分〜
定休日:水曜
ランチは不定期営業。SNSにてご確認ください。

住所:東京都世田谷区喜多見9丁目2−18 喜多見城和ハイツ
TEL:03-5761-4577

アクセス:
小田急線・喜多見駅より徒歩1分

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