自然派ワインの造り手
マルク・ペノ その5〜特別銘柄〜

2014年9月15日
bio09_main.jpg

フォル・ブランシュ

wine1.jpg フォル・ブランシュとはブドウ品種の名前でグロ・プランとも呼ばれることがある。
もともとこの品種はコニャックを造るブドウで多産性、厳しく剪定しなければ100hl/haも採れてしまう。これをペノ氏は非常に厳しく選定する。潜在アルコール度は、他では8%前後までしか上がらないのに対して、11%まで達する。ペノ氏はこの品種で補糖していない唯一のワイナリーと言える。
亜硫酸無添加で20日間醗酵。アルコール醗酵がなんと60日間という長期間に及んだ年もあり、この時同時にマロラクティック醗酵も自然に行なわれた。ペノ氏が「マロ・アルコリック醗酵」と名付けた方法で、乳酸菌の力を借りずに減酸作用が行なわれて「グラ」と表現される粘着性を備えたコクが生成される。

ラベルのイメージは、気分の高揚した(Folle)色の白い女性(Blanche)が、自分の体とは不釣り合いなほどの大きなボトルを持っている、というもの。デザインは、世界的に有名なベルギーの漫画「タンタンTINTIN」の作者によるもの。

香りはミネラル豊富で、カキのような磯の香りが感じられる。グレープフルーツやレモンのようなシャープでキリッとした印象だが、旨味がたっぷり包まれているため、決して酸っぱくはない。非常に上品で繊細な味わい。


シャポー・ムロン

wine2.jpg 生産量約4,000本。
醗酵期間が長く、最低でも5ヵ月以上かけてゆっくり醗酵したタンクから、一番優れたタンクを1つ選んで造る。無酸素状態にし、低温に保つと、ほんのわずかな酵母だけが活動し、それがワインに旨みを与えてくれる。(他のキュヴェは3~6ヵ月。普通の生産者なら3週間。2005年のムロンは12ヵ月もかかった)
今までのムロンはすべて、V.V.の区画のブドウで造ったタンクから、誕生しているが、これは偶然であって、今後若木の畑から生まれる可能性もある。

このワインは偶然から誕生した。ある年、醗酵前の漬け込みを終えて、アルコール醗酵させようとしたところ、ちょうど良い容量のタンクが無かった。ペノ氏は醗酵中は一切SO2(酸化防止剤)を使わないため、果汁が過度に空気に触れるのを恐れ、地下に設置してある容量の小さなコンクリート槽に入れた。地下のタンクでは冬の間低温に保たれたため、アルコール醗酵はごくゆっくりと進み、翌年の夏まで続いた。長い間ワインは一切動かさなかったため、タンクの底には自然に澱が沈殿していた。
このようにしてできたワインには炭酸ガスが充分に残っていたため、SO2をごくわずか添加しただけでろ過はせずに瓶詰めした。
ラベルはパリのワインショップオーナーであるオリヴィエ・カミュ氏がデザインした。このワインを飲んで「シャポー(脱帽ものだ)」と表現し、その後自分のワインバーを「シャポー・ムロン」と名付けた。

グラスに注ぐと優しい炭酸ガスが残っている。スワーリングするとガスが消えて、隠れていた果実のアロマが徐々に姿を表してくる。ノンフィルターで瓶詰めしているため、果実本来の自然な風味が立ち昇り、優しい口当たり、複雑な味わいが際立っている。心地よい酸味がいつまでも続き、感動的な美味しさ。生産量限定のため、パリでも極一部の専門店にしか置いていない。


アブリュー

wine3.jpg 以前は2区画植えていた。そのうちの1つの所有者は高齢で、孫がワイン造りを始め、最初の1年はアブリューを収穫して造ってみたのだがうまく行かず、ミュスカデに植え替えてしまった。そんなことなら譲って欲しいと言ったが、聞いてもらえなかった。もう1人、アブリューが植わっている畑を持っている人がいる。その人に貸してもらう、あるいは売ってもらえるよう、交渉する予定。
2007年の生産に関しては、揮発酸が出ているため、今は様子を見ているが、出荷できそうにない。2008年は霜や雹の被害を受けて収穫量が少なく、質も納得のいくブドウが採れなかったため、リリースできない見込み。2009、2010も出荷を見合わせた。2011年に少量出来たが日本に入荷したのも数十本という希少銘柄。見つけたら買いです!

ブルーベリーやイチゴのような果実味があり、タンニンが非常に軟らか。フレッシュな酸味で生き生きした印象。葡萄本来の素朴な味わいを強く感じる。熟成に樽を使うこともなく、瓶詰め時に僅かに亜硫酸を添加するだけの、まさに自然な風味を持っている。
亜硫酸添加量を少なくするために、醸造中に発生する炭酸ガスを通常より多く残している。そのため、より美味しくご賞味頂くには2~3時間前に抜栓するか、30分前にデキャンタすることをおすすめします。炭酸ガスに隠されていた、アブリュー種の甘い果実味とやさしい口当たりを楽しむことができます。


bio09_budou.jpg ※アブリューのぶどう。


bio09_sub1.jpg ※収穫風景


秋の気配を感じたら
~おさつとラム&バニラのモンブラン風パウンド~

2014年9月14日
potato_main.jpg

暑かった夏も終わり、すっかり秋の風を感じる今日この頃。
これからますます深まっていく秋、四季の移ろいをじっくりと噛みしめたいものですね。

今回は実りの秋の定番、さつまいもを使ったパウンドケーキをご紹介します。
仕上げにスイートポテトを絞って、モンブラン風にしてみました。

絞り袋を使う時は、スイートポテトは ある程度の固さがあり、口金が抜けやすい為、ビニールの絞り袋ではなく、布の絞り袋を使ってください。

おさつとラム&バニラのモンブラン風パウンド

potato_side.jpg 【材料】17×8×6(cm)パウンド型 1本分
・無塩バター            100g
・砂糖(お好みのもの)         85g
・卵                 2個
・バニラビーンズ 1/3本

(a)
・薄力粉              100g
・ベーキングパウダー        小さじ1/4

・さつまいも(正味)         約150g

(飾り用 おさつモンブラン)
・さつまいも(正味)        200g
・バター(有塩、無塩はお好みで)  25g
・砂糖               20g
・生クリーム(牛乳でもOK)      40g
・ラム酒              小さじ1

・刻みピスタチオ(お好みでゴマでもOK)

potato_vanilla.jpg 今回は香りのよいバニラビーンズを使用。バニラオイルでも代用OK。(※バニラエッセンスは香りが飛びやすい為、オイルがおススメ)


【下準備】

①無塩バターは常温に置き、柔らかくしておく。
②卵は溶いて冷蔵庫に入れておく(気温が暖かい時)
③型に型紙を敷くか、内側にバターを塗り、粉をはたいておく。
④(a)の粉類は3回空気を含ませるようにふるっておく。

potato_1.jpg ⑤バニラビーンズは、さやの筋に合わせて縦に切れ目を入れ、ナイフの背で中身をしごいて出す。(写真①)


⑥さつまいもはよく洗い、適当な大きさに切り、水分が多めについた状態でラップに包み、電子レンジで加熱し、竹串がすっと通るまでやわらかくする。
お好みの形に切っておく。(更に砂糖1:水2のシロップで軽く煮ると、日持ちが長くなる)
※⑦砂糖は固まりがあれば、ふるってサラサラにしておく。
※⑧気温が高い季節は、使用するボールの一回り小さいボールに氷水を用意しておくととても良い。(生地がだれるのを防ぐ為)
⑨オーブンを170℃に温めておく。

【作り方】

①やわらかく戻したバターに砂糖を1度に入れ、ゴムベラで 砂糖を馴染ませ、砂糖が散らない程度に馴染んだら、 ハンドミキサーに変え、高速で円を描くように混ぜる。

②途中バターが溶けかかり、べチャッとしてきたら、用意した氷水に当て、白くふわっとするまでよく混ぜる。

③バターが白く、ふわっとしてきたら、冷やしておいた卵を5~6回に分けて入れ、都度馴染むまでよく混ぜる。(1度にたくさん入れてしまうと分離するので注意!)

④バニラビーンズを入れ、よく混ぜる。

⑤篩った粉類を1度に入れ、ゴムベラで のの字 を描くようにしっかりと混ぜる。

⑥全体的に混ざったら40~50回ほど、のの字を描いて混ぜる。生地が少し重たくなり、ツヤが出てきた頃が目安。
 途中生地がダレてきたら、氷水に当てながら混ぜると、生地が締まってくる。

potato_2.jpg ⑦用意した型へ生地を1/3入れ、さついまいも1/2を並べ、これをもう1度繰り返す。
 ※こうすると カットした時にさつまいもが全体的に均等に行きわたる。(写真②)


potato_3.jpg ⑧最後に残りの生地でふたをするように、型に入れる。(写真③)


⑨170℃のオーブンで約50分程焼く。焼き始めて15分後、表面に膜が張ってきたら、ナイフで真ん中に切り込みを入れると きれいな膨らみができる。
※オーブンに焼きムラがある場合は途中で向きを入れ替えると良い。

⑨焼き上がったら、平らなところで、10cm程の高さから落としてショックを与える。こうすると焼き縮みを防ぐことができる。

⑩を粗熱が取れるまで濡れ布巾をかぶせて冷ます。

【飾り用 おさつモンブラン作り】

①さつまいもをよく洗い、適当な大きさに切って、多めの水をつけてラップをし、電子レンジで加熱し、竹串がすっと通るくらいまで柔らかくする。

potato_4.jpg ②皮をむき、熱いうちに裏ごしをし(写真④)、バター、砂糖を入れ、よく混ぜる。途中冷めてしまったら、レンジで温める。
※口金を使って絞る場合は、必ず裏ごしをする。(少しでも塊があると、口金でつまってしまう為)


③②へ生クリーム(または牛乳)を少しずつ加え、都度よく馴染ませる。最後にラム酒を加え、香りをつける。
※生クリームの量は、絞りやすい固さになるまでお好みで加えてOK!

【仕上げ】

potato_5.jpg ①冷めたパウンドケーキを型から出し、お好みの口金をつけた絞り袋におさつモンブランを入れ、パウンドの上に絞る。(写真⑤)


②最後に刻んだピスタチオをちらし、できあがり。(お好みでゴマでも良い) 

甘さのヒミツ 第4回

2014年9月13日
kome_main.jpg

冷めたご飯と、あったかいご飯、どっちが美味しく感じますか?
実はこれ温度に関係があります。人の味覚は、冷たいものより暖かい方が敏感に感じるそうです。 ホクホクの焼き芋と、冷めた焼き芋を食べたときのイメージです。
スイートポテトは別ですよ、びっくりするほど加糖されていますから。

お米を炊くとき、電気釜、ガス釜、土鍋、どの調理器具が美味しく感じますか?
たぶん、土鍋、ガス釜、電気炊飯器の順番だと思います。
これは熱伝導率の話しで、いかにデンプンを早く固化させるかがマルゴオリゴ糖形成による甘味の差が生まれます。ただ、水質、浸漬時間、研ぎ方でも変わるので、十分に浸水させ短時間で固化させることが美味しく炊くポイントです。

いつものお米は玄米ですが、分搗き米ですか、白米ですか?
GI値といわれる値があります。玄米が55、七分搗き(精米歩合で変わります)70、白米81。これは食後の血糖値上昇指数で、摂取2時間までに血液中に入る糖質の量だそうです。イチゴジャムも白米と同じ81という数値ですが、GI値だけを見るのではなく「甘さのヒミツ02」で書いたように糖の質が違う事をしっかり認識することが必要ですね。
食べ物は一つの成分だけを見るのではなくトータルバランスと何が消化吸収されるかが重要です。LGナントかヨーグルトを食べても沢山加糖されていれば体にいいのか悪いのか。
お米に関してのGI値と甘さには関係性を感じます。白米は口の中に入れた瞬間に甘みを感じますが、玄米は良く咀嚼しないと甘みを感じません。この咀嚼が大切で消化吸収に十分なアミラーゼ活性を起さないと栄養素が摂取できないので、咀嚼が甘さを左右するということでしょう。

そして最後に重要なのが体調です。
健康なとき、病気のとき、どっちが美味しく食事ができますか?
体に不調がある時、体は自然と消化機能より免疫機能にエネルギー優先するそうです。よく旅行先や温泉旅館で心身が癒されているときに食べるお米や食事、格別ですよね。

これらのように、お米の甘さは、品種、栽培場所、調理方法、健康状態、食事場所や様々な状況によって感じ方が変わります。これらをうまくライフスタイルに取り入れる事が健康な毎日を過ごせる秘訣ではないでしょうか。

これにて「甘さの秘密」シリーズはおわりです。