甘さのヒミツ 第3回

2014年7月18日
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最近、炭水化物抜きや糖質制限ダイエットが流行っていますよね。
前回の甘さのヒミツで書いた「糖質」の種類を見ていただければ分かると思いますが、単糖類や二糖類の採りすぎは危険です!
ただ、糖質は全身のエネルギー源でもあります!血糖が低下すると体全体の動きが損なわれ、脳へのダメージが大きく精神疾患の危険性が高くなるそうですから痩せてもその代償は大きいかもしれません。低血糖症という病気もありますから甘い言葉や誘惑には気をつけましょう。

さて、お米の話ですが生米はデンプンでできています。それを加熱すると人が消化吸収できる物質、炭水化物となります。その炭水化物を咀嚼すると唾液に含まれる消化吸収酵素のアミラーゼ活性が炭水化物を糖化し甘みと至ります。実は、お米を「甘い」と感じる瞬間、口の中で化学変化が起こっているのです。
「良く噛んで食べなさい」と怒られた経験ありませんか。咀嚼が消化吸収の促進に大変重要な行為だと理解いただけたかと思います。

人は炭水化物を消化する酵素を使い活動エネルギーとしています。肉食動物が草類を食べないように、その生き物がどんな消化吸収酵素を持っているのかで摂取する物質が異なるそうです。 人間はアミラーゼ活性が中心ですから炭水化物は必須となります。
昭和初期、日本人一人辺りのお米の消費量は現代人の約2倍ですから、もしお米を食べて「太る」のであれば昭和以前の日本人はみんな太っていたことになります。

話がちょっとそれましたが、これと同じ原理なのが醸造酒「日本酒」です。石器時代に醸されていたと言われるお酒があります。それは加熱した穀類(デンプン)を口の中に含みクチャクチャ噛み、壺に吐き溜めます。数日すると唾液により糖化したデンプンがアルコール発酵し「口噛み酒」と言われ嗜まれていたそうです。
ただ、男性と女性では醗酵の過程が異なったそうですから、もしかしたらこのアミラーゼ活性は男性、女性、大人、子供、体調などによる個人差があるのかも知れませんね。

次回はそのアミラーゼ活性とお米の甘さについてのお話です!

初夏の味覚を使って
~杏と紅茶のパウンドケーキ~

2014年7月15日
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anzu_image 本格的な夏が近づき、杏の季節となりました。

杏はバラ科で収穫期は6月中旬~7月中旬。
木や花は梅に似ていますが、赤く色付いた実がたくさんなり、熟した実はすぐに食べられます。


anzu_image しかし、収穫した杏はそう日持ちがしない為、収穫後はドライにする事が多いそう。
ドライにする事で、杏の美味しさがぎゅっと凝縮され、焼き菓子の風味に負けない、存在感抜群の杏の酸味を楽しむことができます。


今回は紅茶と合わせて、より杏の香りを楽しむことができるパウンドケーキにしてみました。

杏と紅茶のパウンドケーキ

lemon_menu 【材料】17×8×6パウンド型 1本分
・無塩バター     100g
・砂糖(お好みのもの) 85g
・卵         2個

(a)
・薄力粉 100g
・ベーキングパウダー 小1/4

・紅茶 4g
(お好みのもの。今回はアールグレイを使用)
・ドライ杏      100g
・杏ジャム(仕上げ用・お好みで)

【下準備】

①無塩バターは常温に置き、柔らかくしておく。
②卵は溶いて冷蔵庫に入れておく(気温が暖かい時)
③型に型紙を敷くか、内側にバターを塗り、粉をはたいておく。
④(a)の粉類は3回空気を含ませるようにふるっておく。

anzu_2 ⑤ドライ杏は小さくカットしておく(1粒4等分くらい)(写真・杏刻み②)


anzu_2 ⑥紅茶の茶葉はミルやすり鉢を使って細かく粉砕しておく。
(ティーバックのものだと細かくなっていて手頃)(写真・茶葉③)


※⑦砂糖は固まりがあれば、ふるってサラサラにしておく。
※⑧気温が暖かい季節は、使用するボールの一回り小さいボールに氷水を用意しておくととても良い。 (生地がだれるのを防ぐ為)
⑨オーブンを170℃に温めておく。

【作り方】

①やわらかく戻したバターに砂糖を1度に入れ、ゴムベラで 砂糖を馴染ませ、砂糖が散らない程度に馴染んだら、 ハンドミキサーに変え、高速で円を描くように混ぜる。

②途中バターが溶けかかり、べチャッとしてきたら、用意した氷水に当て、白くふわっとするまでよく混ぜる。

③バターが白く、ふわっとしてきたら、冷やしておいた卵を5~6回に分けて入れ、都度馴染むまでよく混ぜる。
(1度にたくさん入れてしまうと分離するので注意!)

④③に篩った粉類を1度に入れ、ゴムベラでのの字を描くようにしっかりと混ぜる。40~50回ほど、のの字を描くと良い。生地が少し重たくなり、ツヤが出てきた頃が目安。

anzu_4.jpg ⑤④に紅茶を加え、ヘラで全体に馴染むように混ぜる。(写真・生地混ぜ④)


anzu_5.jpg ⑥用意した型へ生地を1/3程入れ、杏を1/2程入れる。(こうすると、食べる時にどこを切っても杏が均一な量になる。)
これをもう1度繰り返し、最後に生地で杏が隠れるようにかぶせる。(写真・型入れ⑤)
※⑤の時点で杏を生地に加えて、全体に混ぜ込んで、型に一気に入れても良い


⑥⑤を型に入れ、170℃のオーブンで約50分程焼く。焼き始めて15分後に、ナイフで真ん中に切り込みを入れるときれいな膨らみができる。
※オーブンに焼きムラがある場合は途中で向きを入れ替えると良い。

⑦焼き上がったら、平らなところで、10cm程の高さから落としてショックを与える。こうすると焼き縮みを防ぐことができる。

⑧を粗熱が取れるまで濡れ布巾をかぶせて冷ます。
(お好みで表面に、温めて伸ばしたて杏ジャムを刷毛で塗ると見た目がツヤ良く、きれいになる。)

⑨型から出し、ラップでピッタリと包んで乾燥に注意して冷蔵庫で保存する。

食べる時は常温に戻すと、やわらかく美味しくなる。

自然派ワインの造り手
マルク・ペノ その3〜醸造のこと、フォルブランシュのこと〜

2014年7月11日
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夢のプレス機

プヌマティック(空気圧式)のプレス機を持つのが夢だった。
2004年、一度レンタルして使ってみたことがあった。すると非常に繊細な風味の素晴らしいプレスができた。でも価格が高いため、まさか自分が本当に手に入れられるとは全く思っていなかった。
倒産からの復活後、野村ユニソンから何が必要かを尋ねられた。無理だと思いながらも、もしできることなら理想は...と言ってみたら、快く了解してくれた。パリの伊藤氏も他の自然派の造り手はプヌマティック式を使っていて、いいワインができることをよく知っていたから、ぜひと後押してくれた。
新品を買うことは考えず、中古で十分だと最初から思っていた。インターネットで中古品を探したところ、2004年に借りたプレス機そのものが売りに出ていた。これはチャンスと思って、早速所有者に連絡し、購入した。こうして以前使ったプレス機と、運命的な再会を果たした。

醗酵

すべて天然酵母による自然発酵。
他の造り手の多くが培養酵母を使い、3週間ほどで終わらせるのに対し、ペノ氏のワインの醗酵は、6~12ヵ月。2005年のムロンというキュベはなんと24ヵ月にも及んだ。
醗酵・熟成中は、亜硫酸を添加しない。

熟成

本当の意味でのシュール・リー熟成。最初の醗酵で生じた澱の上で、そのまま熟成させている。
通常のミュスカデは、シュール・リーと名乗りながらも、醗酵時の澱ではなく、熟成初期に沈殿した澱の上で熟成させているだけであることが多い。

ラ・フォル・ブランシュ

品種名はラ・フォル・ブランシュ(=グロ・プラン)樹齢非常に古く、80年。若いものでも60年。
もともとはコニャックを造る品種で多産性のものであるため、何もしなければ1株当たり20~30房でき、収量は100hl/haとなる。これをペノ氏は非常に厳しく選定し、残す芽はたった2つだけ。収量は35~40hl/ha。潜在アルコール度は、他では8%前後までしか上がらないのに対して、11%まで達する。ペノ氏はこの品種で補糖していない唯一のワイナリー。
このワインには、3種類の酸があると言われている。品種由来のもの、北の涼しい気候によるもの、シスト土壌によるもの。通常のグロ・プランは、我慢大会や罰ゲームに使われると言うほど、非常に酸っぱいワイン。
アメリカの研究で、この品種は腎臓に良いことが立証された。ナントの内科医は、実際にペノ氏のこのワインを、毎年1樽買っているという。
魚介・甲殻類。特にカキとの相性抜群。ワイン自体からカキのような磯の香りがすることも。アルコールが軽く、さっぱりと消化を促してくれる。
ラベルのデザインは、ラ・ボエームと同じく、ベルギーのアーティストがデザインしたもの。品種の名前、La Folle Blancheから、気分の高揚した(Folle)色の白い女性(Blanche)が、自分の体とは不釣り合いなほどの大きなボトルを持っているというイメージ。
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※フォル・ブランシュのラベル