自然派ワインの造り手
「アレクサンドル・ジュヴォー」

2017年3月24日
自然派ワインの造り手 「アレクサンドル・ジュヴォー」

オーナーのアレクサンドル・ジュヴォー氏はディジョン大学で美術を専攻し、卒業後、ディジョンで美術品の個展を開くアトリエを2年運営。その後、農業学校に入りなおし、ぶどう栽培とワイン醸造を学びました。

BioWine_sub1 自然を相手に育てたぶどうを原料にしてワインを作り上げることは、芸術作品の製作に共通した魅力があると彼は言います。それにワインが持つ繊細な香りや、奥深い風味も魅力だったことは言うまでもありません。彼の優しく穏やかな性格は、自然を相手にするのがぴったり似合います。サヴォワ地方でワインを造るフランソワ・グリナンも元々ピアニスト。芸術を愛する人は繊細でピュアなワインを造るというのは偶然でしょうか?




BioWine_sub2 4年間ワイナリーで働いて腕を磨き、2001年にワイン造りをスタート。
大学で同窓生だった奥さんのマリーズさんとは入学時からの長い付き合い。
ラベルはマリーズさんの版画を元にした二人の共同作品なのです。とても仲良しの二人です。中身のワインもラベルも一つ一つ丹念に、まさに手作りという言葉がふさわしいワインを作っています。


栽培面積は3Ha。
収穫は全て手摘みで行い、ぶどうが潰れないように小さなプラスティックケースに丁寧に入れて運びます。
醸造で注意する事は、できるだけ人為的な介入をしない自然な発酵と熟成。当然ながら天然酵母で醸造し、亜硫酸を最後の段階まで使わない方法によって、ぶどうが持つ豊かな味わいを最大限残すようにします。

BioWine_sub3

ビン詰めのタイミングは?と聞くと、ジュヴォーは笑いながら「フィーリング」と一言。ワインが出来上がるのをあせらず待って、種まきカレンダーに則り、花か果物の日を選ぶ。そして当日が晴天なら行うが、もし雨が降ると澱が舞いやすいので次の機会まで延期するほどとても丁寧な作り手です。

「飲んですぐ、これは誰々が造ったワインだ!と、分かるワインが良いね。」と彼は言います。



ワイン

●コンバルニエ 白

BioWine_sub6 品種:シャルドネ 樹齢:20年超
「ウチジー」地区にあるぶどう栽培地の中で一番高い山頂部にある0.7Haの区画。粘土質の土壌。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬し、圧搾。216L容量の古樽(3〜7年)にて6〜20℃のカーヴで、12ヶ月かけてアルコール発酵。天然酵母による自然な発酵。その後ステンレスタンクに移して、4ヶ月熟成。移す時にSO2を少量添加。澱下げやろ過をせずにビン詰め。


●プレティー 白

BioWine_sub7 品種:シャルドネ 樹齢:70年超
プレティー地区0.54ha。
南向きで砂が多い地質。ビオロジック栽培。
アルザスで伝統的に使う、木製の楕円形の大樽にてアルコール発酵、ならびに熟成。
天然酵母による自然な発酵。発酵と熟成をあわせて13ヶ月、この期間はワインを動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。カーヴの温度は6℃〜20℃。澱下げやろ過をせずにビン詰め。


●ル・モン 白

BioWine_sub8 品種:シャルドネ  樹齢:60年超
「ファルジュ・レ・マコン」地区にある南向きの緩やかな斜面。日照量が多くぶどうの熟度が高くなる。0.21ha。粘土石灰質土壌。ソーヌ川右岸に位置する。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬し、圧搾。12hlの楕円形の木製樽でアルコール発酵・熟成。天然酵母による自然な発酵。
発酵と熟成をあわせて13ヶ月間、6〜20℃のカーヴで寝かせる。熟成期間はワインを一切動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。ビン詰め前には、澱下げやろ過をせずにビン詰め。2010年はSO2を一切添加せずに完成させた。
区画はモン・ミュザールだが、「モン・ミュザールのヴィエィユ・ヴィ-ニュ」とするより簡単なので「ル・モン」と名づけた。たっぷりしたボディと果実味は、完成度が高い。


●アン・ロルム 赤

BioWine_sub9 品種:ピノ・ノワール、ガメイ  樹齢:60年超
「ウチジー」地区にある真南向きで、緩やかに傾斜した日照量の多い区画。0.30Ha。br> 粘土石灰質土壌。ソーヌ川の右岸に位置する。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬。
ステンレスタンクで10日間マセラシオン。天然酵母による自然な発酵。
圧搾後、古樽(約2年)に入れて残りの発酵をさせた。途中からスピードが落ち、発酵が終わるまで2年かかった。熟成はステンレスタンクで8ヶ月。
この期間はワインを一切動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。その後澱引きし、清澄やろ過をせずにビン詰め。このとき一度だけ亜硫酸をごく少量添加。ビン詰めの機械は、重力を利用した昔ながらの手動式のシンプルなモデルで、1本ずつ丁寧に手作業で行う。


Profile

竹之内 一行(たけのうち かずゆき)

竹之内 一行 (たけのうち かずゆき)

1968年10月生まれ 神奈川県出身。横浜商業高校卒後、レストラン&バーでの修業、
1993年約3週間ヨーロッパへ食べ歩きの旅行をきっかけにワインに興味をもつ。
1996年日本ソムリエ協会ワインアドバイザー修得。その後も都内ワインスクールにてテイスティングの勉強を重ねる。2000年再度渡仏の際に教科書やワインスクールでは、知ることができなかった自然派ワインや地元でしか流通していない真のお宝ワインがあることに興味を持ちはじめ毎年渡仏し現地生産者等と交流を深める。現在、父親が始めた酒販店「エスポアしんかわ」代表。都内等ワイン飲食店にワインの卸や初心者のためのワイン講座等も行っている。

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