間接的な復興支援は誰でも簡単にできる

2019年11月15日
間接的な復興支援は誰でも簡単にできる

復興支援と治水効果促進

今年は大型化した台風や大雨による災害が多くありました。千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号、関東から東北地方の広範囲に大雨を降らせ各地で堤防を決壊させた台風19号。その後も発達した低気圧が被災地に雨を降らせ地盤のゆるみが解消されず安心できない状況が続いています。
水害と無縁の地域にお住まいの方で被災地へ何かしら支援したいけど余裕が無いという方がいらしたら、ぜひお米の消費を増やしてください。その消費行動こそが水害から地方を守る支援になるのです。
単純な理由ですが、お米の消費が増えると生産量が増えます。復活した田んぼは雨水を一時的に溜められるダムの効果を発揮し水をゆっくり地中に浸透させてくれます。コンクリートで固められた地盤とは比較にならないほど雨水の河川流入が緩やかになるのです。

環境保全という落とし穴

いま休耕田は補助金事業のソーラーパネル設置場所に代替えされているケースを多く見ます。日本全国に設置されたソーラーパネル発電量は原発54基分に相当するそうですが発電率は数パーセントしかないと試算されています。発電できるのは晴れた日で日光が当たるタイミングですから非効率ですし発電する時間帯も同じになるので電気が余ってしまうそうです。転用された休耕田の保水力は落ち、雨水は河川にそのまま流れ込み増水に繋がります。ソーラーパネル事業によって洪水が増えたとは都合が悪いのかニュースになりません。温暖化対策のソーラーパネル事業が災害誘発しては元も子もないからでしょう。

日本の歴史は治水の歴史

日本列島の河川氾濫による歴史は古く、明治以前は降った雨を土に返す、低水工事という方式がもちいられていたそうです。日本の河川は高低差が激しく山から海まで一気に水が流れるので河川は暴れ川という認識が常識でした。そのために人は森林を管理し山の保水力を高めダムの効果がある田んぼを活用しました。逆に水不足には溜池を利用し水を確保します。悪い事ばかりではなく氾濫した河川から流れてきた土砂は土壌を肥沃にさせお米の生育に貢献します。しかし水を溜めずに海に捨てるという考えのもと明治29年河川法が制定され連続堤防方式が採用されました。しかし治水工事は進めば進むほど洪水の危険性は増す結果となり洪水が激化することになったそうです。まさに今回の水害そのものですね。

防災は総合バランス

お米の消費を増やすという考えはあくまでも原因解決の一要因です。自然災害は様々な状況からおこるものだと思います。先日ある市議会議員のチラシがポストに投かんされていたので目を通してみると、強風などで電柱が倒れるかもしれないから電線を地中に埋めましょうと書かれていました。確かに強風で電柱倒壊の被害はなくなりますが地震の被害で地中に這わせた電線が寸断されたらいかがでしょう。どこに不具合があるか掘り返し探す作業から始めなければなりません。空中の電線なら復旧作業は簡単に行えます。不具合を探す時間と地面を掘り返す時間と費用、早々のライフライン復旧は一目瞭然です。さらに最近では電柱に通信機のアンテナや光ケーブル、防犯カメラの設置もあるので復旧は電気だけの問題ではなくなってきます。景観重視も一理ありますが、インフラ整備は時に住民の命が左右されるので先の河川氾濫で被害に及んだ二子玉景観重視市民運動の二の舞にならないよう総合的検証が必要でしょう。

最近、特に感じるのが環境問題をポピュリズムやイデオロギーに利用され、事実が見えにくくなっているように感じます。災害復興支援は日々の生活の中で間接的に取り組むこともできます。それにはやはり賢い消費行動と情報精査が必要なのではないでしょうか。

Profile

金井一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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