ネオニコチノイドという殺虫剤

2018年11月15日
ネオニコチノイドという殺虫剤

新潟県魚沼地区でお米を栽培している農家さんの田んぼで異変が起きました。ある日大切に飼育していたタガメ80匹が一晩で全滅してしまったそうです。何が起きたのか困惑しながらいろいろと調べていたらニオネコチノイドという殺虫成分にたどり着きました。今ではきその危険性を危惧し代替え農薬を使用し水田には生態系が戻りつつあるそうです。

先日、食品の残留農薬や遺伝子組み換え検査をしている分析センターの所長さんとその農家さんが当店にお見えになり様々な意見交換をいたしました。家庭で普通に使っている殺虫剤に含まれているネオニコチノイド。その効果は絶大で即効性も高いと言われています、しかし副作用がある事がここ近年、医学や科学の側面から証明され2018年4月27日には欧州委員会で3種類のネオニコチノイド殺虫剤の使用禁止強化という報道もありました。
https://www.reuters.com/article/us-eu-environment-bees/eu-nations-back-ban-on-insecticides-to-protect-honey-bees-idUSKBN1HY11W

日本でこのニュースは大々的に報じられていないのでご存知の方は少ないと思いますが、ヨーロッパでは一般的な情報として取り扱われています。
なぜ日本でほとんど報道されないのか。察するに大手スポンサーによる忖度がメディアの報道姿勢に表れているのではないか思います。なぜなら日本で使われている農薬の市場シェアは大手化学メーカによる物がほとんどだという現実があります。
安価でよく効ネオニコチノイド系の殺虫剤は効率と経済的な観点から捨てがたい代物になり、自主的に農家さんが代替えを選択する日はまだまだ先の話になりそうです。

そもそもネオニコチノイドとはどんな農薬か、ニコチンの構造式と似ているところからネオニコチノイド(新しいニコチ様物質)と命名されたそうです。
その成分の効き方は浸透性、残効性、神経毒性と言われていて、特に水に溶けやすく新潟の農家さんが直面したタガメの絶滅もこの特性を疑ってしかるべきなのだと推測されます。そしてこの成分はペットのノミ駆除や家庭用の殺虫剤として多用されている事からミツバチの大量死の原因ではないかとも言われているのです。

では人体への影響はどうなのでしょうか。家庭用の殺虫剤は使用量が限られているので影響は出ないそうですがゼロではないそうです。ましてや農家ともなると栽培する生産物によっては使用量が変わりますので危険性は増します。
危惧される影響として、脳の神経細胞にアセチルコリンという物質があるのですがその働きを阻害し正常な神経伝達ができなくなり異常興奮起こすそうです。症状は不整脈、短期記憶障害、頭痛、嘔吐など。小さな子どもともなると発達障害を引き起こす可能性があり自閉症やADHD,学習障害などの増加は農薬使用量の増加と比例しているそうです。

昆虫のなかでも大きく影響を受けているのがミツバチです。
ミツバチは指標生物と言われ自然環境の変化を知らせる生物と言われています。ネオニコチノイドによって脳の働きが狂い方向感覚を失い巣に戻れなくなる例や、濃縮された蜜に有害物質が取り込まれ蜂の子が育たないなど、ミツバチ大量死のような私たちが気付かない自然環境の変化を警告してくれています。

ここに書かせていただいた内容は一部の表面的な情報です。これを切っ掛けにリテラシーを鍛えるためにも自ら調べ、現状の把握をしていいただければ幸いです。

Profile

金井一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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