新潟のコシヒカリはコシヒカリじゃない!? 第2回

2014年1月20日
コシヒカリ

農林水産省のホームページから世界のお米生産量が分かります。抜粋しますと「お米(もみ)の生産量は2009年のFAOの統計で、世界の生産量が67,869万トン、そのうち中国、インド、インドネシアの3カ国で約6割。中国が19,726万トン、インドが13,127万トン、インドネシアが6,440万トンです(平成22年9月2日時点)」。ただこの数字は、インディカ種、ジャポニカ種、ジャパニカ種の合計数です。日本の平成24年産水陸稲の収穫量は飯用と加工用合わせて851万9千トンですから、世界のお米生産量から比べると意外に少ない事が分かるかと思います。言い方を変えると日本で栽培されるお米、ジャポニカ種を消費している民族は少ないということになります。

TPPで日本のお米を世界に輸出と声高に謳われていますが食文化や生活習慣が違う民族に、はたして粘りの強い日本のお米は受け入れられるのでしょうか。「平成の米騒動」から察するに海外で日本のお米が日常食として食卓に並ぶには難しいと考える方が自然のような気がします。逆に食の欧米化と多様化が進んだ日本人がターゲットにされないか、いささか不安を感じています。

さて、話は戻りますが、インディカもジャパニカもそんなに沢山の品種はありません。しかし品種だけでも数百あるのが日本のジャポニカ米です。今まで約700種類育種され、現在では約300種類が栽培されています。なぜこんなに沢山の品種が存在するのでしょう。それは日本の複雑な地形と気候風土、縦長な地形が稲の適合性の幅を広げたのではないでしょうか。

日本は水に恵まれ土壌に恵まれ気候に恵まれました。その為、穀類を粉に加工し量増しすることなく粒で食べる文化が根付きました。粒食は咀嚼の回数が増えるので顎は鍛えられえらが張り、消化に時間を必要とするために腸が長いと言った理由もそこにあると思います。とは言え小麦や蕎麦の名産地はありますが、いずれも水田栽培に適さなかった事が理由です。イタリアを例として挙げると主食はパスタと認識していますが南部での主食はクスクスです。その風土で栽培できるものが主食となり文化となることが分かります。

では日本のお米は何処から来たのでしょうか。原種は中国大陸から渡って来たという説が有力でしたが、日本の地で育った原種が存在したと考古学の発掘調査で解明されてきているそうですから、もしかしたら在来種の存在があってもおかしくはありませんね。

そんな日本で栽培されているお米も現代では大きく分けて、日本酒を醸造する酒造好敵米いわゆる酒米。粘りの強いもち米。そして普段食べる粳(うるち)米、と分類されます。古代米と言われる黒米や赤米などは、もち品種とうるち品種の両方があります。酒米や飼料用などは加工米という位置づけになるので一般市場には出回りません。ただ、酒米だけでも数百種類があります。中でも「山田錦」や「五百万石」が有名です。もち米のスタンダードな品種は「ひめのもち」、きめが細かく和菓子に好んで使用される高級もち米「滋賀県の羽二重もち」など様々な品種が存在します。

さて次回はその品種という概念はいつから生まれてきたのか考えていきたいと思います。

Profile

金井一浩(かない かずひろ)

金井一浩(かないかずひろ)

吉祥寺生まれ吉祥寺育ち。
高校卒業後、大学に進学せず1990年証券会社へ入社しバブル崩壊を肌で経験。阪神淡路大震災の時に感じた利益優先のマーケットに疑問を感じこの年に退社。フリーター業で生計を立てるも、規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことに。その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て業界で一番難しいといされる「お米アドバイザー」を取得、後に第1回環境社会検定試験に合格し、フード&ヘルス研究所主催の小児食生活アドバイザーに認定される。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びをお客様に提案し提供している。現在では本業の他に業界の若い世代が集まる「和日米会」の会長を務め、「フリースクール上田学園」にて日本食文化の講師を担当する。

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