だれのおうちかな?

2017年3月28日
「だれのおうちかな?」

「だれのおうちかな?」
作 ジョージ・メンドーサ
絵 ドリス・スミス
訳 福原洋子

あ!これはあれだ
小さい頃出会っていたら夢中になっていたやつだ
一目見ただけでそうピンとくる
そんな作品にたまに出会う
野ばらの村のシリーズしかり
いちごばたけのちいさなおばあさんや
バムとケロもそう
細かい絵が隅々までみっちり描き込まれていて
抜かりがない
気付いたら自分も落書き帳を広げていたりする
そんなタイプの絵本

この「だれのおうちかな?」なんてまさにその王様だ

表紙のネズミはエロイーズさん
名前から察するにフランスの方
彼は設計士
彼は建築家
彼は大工
彼はアーティスト
そして彼は...
天才
森の動物達それぞれに適した
見事な家を作ってくれる
その一つ一つがまあお見事!
表紙からもわかるように
とにかく絵が緻密で
悔しいくらい遊び心に充ちていて
そして純粋に建築物として面白い

例えばチラリと写っている西洋なしの家
これはいも虫の家
中は三層になっていて
まず地下は貯蔵庫
さくらんぼや冬用の枯葉なんかがたっぷり
一階は居住区
窓際には花が
壁にはフルーツの絵が飾ってあったり
アンティークなランプシェード
薪ストーブの上には湯気を立てるやかん
(煙突はちゃんと果物の外に繋がっている)
屋根裏では食用か鑑賞用か植物を栽培中
当のいも虫はというとソファでゆらりとくつろいでいる
この調子で
日向ぼっこの好きなトカゲのためのサンルーフのついた家
回遊する魚のための迷路のような家
ハンターのキツネ用の野原に紛れた家
蜘蛛の家にフクロウの家など
それぞれ建築としての実用的なアイデアで溢れていて
渡辺篤史さんが建物の探訪にいらしたら
「へぇー」「ほぉー」と感嘆されること間違いなしの物件の数々
お見事だし
ひとの住まいを見るのってやはり楽しい
目と頭がワクワクする

読み聞かせ
がメジャーになって来た今
絵本=読み聞かせ
になりがちだけれど
ところがどっこい
読み聞かせじゃ伝わらないこんな面白い本も沢山ある
「はるにれ」や「イエペ」のような
写真絵本しかり
クライドルフやワイズブラウンのような
圧倒的に絵の美しい本しかり
洋書しかり
1人で引き出して
ただじっと眺める
じっと眺める
じっと眺める
文字が読めない?
関係ない
優れた絵本の絵は
絵だけで充分に楽しませてくれるもの
絵の中を旅させてくれるもの
「目のごちそう」とは佐々木マキさんの言葉だったか
ごちそうはブルーライトでチカチカしない
ごちそうは手触りもよい
ごちそうはよい匂いがする
ごちそうは五感を愉しませてくれる

そういえばこの間
肺活量のまだ充分でない子どものために
オトナが最初にぷぅっと風船を膨らませてあげていた
ふと
想像力というのは風船のようなものだな
と思った
想像力の風船はもちろん
肺活量ではなく想像力で膨らませる
子どもの頃に大きく大きく膨らませておくと
オトナになって
地球が平らでないことや
雷がドラゴンの鳴き声でないことがわかる年齢になっても
ちょいと目を瞑るだけで風船はぷぅっとふくらむ

現実と非現実の境い目が曖昧なうちに
想像力の風船を出来る限り大きく膨らませておくこと

夜に太陽が何をしているか
知る前に
目をつむり
頭の中で旅に出る

その手助けになるような本が
世の中に溢れるとよいな
と思う

20年後の吉祥寺が
そんなオトナで溢れますように

今月の絵本
「だれのおうちかな」
吉祥寺の絵本の古本屋MAIN TENTより
フランソワ・バチスト氏がご紹介いたしました

自然派ワインの造り手
「アレクサンドル・ジュヴォー」

2017年3月24日
自然派ワインの造り手 「アレクサンドル・ジュヴォー」

オーナーのアレクサンドル・ジュヴォー氏はディジョン大学で美術を専攻し、卒業後、ディジョンで美術品の個展を開くアトリエを2年運営。その後、農業学校に入りなおし、ぶどう栽培とワイン醸造を学びました。

BioWine_sub1 自然を相手に育てたぶどうを原料にしてワインを作り上げることは、芸術作品の製作に共通した魅力があると彼は言います。それにワインが持つ繊細な香りや、奥深い風味も魅力だったことは言うまでもありません。彼の優しく穏やかな性格は、自然を相手にするのがぴったり似合います。サヴォワ地方でワインを造るフランソワ・グリナンも元々ピアニスト。芸術を愛する人は繊細でピュアなワインを造るというのは偶然でしょうか?




BioWine_sub2 4年間ワイナリーで働いて腕を磨き、2001年にワイン造りをスタート。
大学で同窓生だった奥さんのマリーズさんとは入学時からの長い付き合い。
ラベルはマリーズさんの版画を元にした二人の共同作品なのです。とても仲良しの二人です。中身のワインもラベルも一つ一つ丹念に、まさに手作りという言葉がふさわしいワインを作っています。


栽培面積は3Ha。
収穫は全て手摘みで行い、ぶどうが潰れないように小さなプラスティックケースに丁寧に入れて運びます。
醸造で注意する事は、できるだけ人為的な介入をしない自然な発酵と熟成。当然ながら天然酵母で醸造し、亜硫酸を最後の段階まで使わない方法によって、ぶどうが持つ豊かな味わいを最大限残すようにします。

BioWine_sub3

ビン詰めのタイミングは?と聞くと、ジュヴォーは笑いながら「フィーリング」と一言。ワインが出来上がるのをあせらず待って、種まきカレンダーに則り、花か果物の日を選ぶ。そして当日が晴天なら行うが、もし雨が降ると澱が舞いやすいので次の機会まで延期するほどとても丁寧な作り手です。

「飲んですぐ、これは誰々が造ったワインだ!と、分かるワインが良いね。」と彼は言います。



ワイン

●コンバルニエ 白

BioWine_sub6 品種:シャルドネ 樹齢:20年超
「ウチジー」地区にあるぶどう栽培地の中で一番高い山頂部にある0.7Haの区画。粘土質の土壌。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬し、圧搾。216L容量の古樽(3〜7年)にて6〜20℃のカーヴで、12ヶ月かけてアルコール発酵。天然酵母による自然な発酵。その後ステンレスタンクに移して、4ヶ月熟成。移す時にSO2を少量添加。澱下げやろ過をせずにビン詰め。


●プレティー 白

BioWine_sub7 品種:シャルドネ 樹齢:70年超
プレティー地区0.54ha。
南向きで砂が多い地質。ビオロジック栽培。
アルザスで伝統的に使う、木製の楕円形の大樽にてアルコール発酵、ならびに熟成。
天然酵母による自然な発酵。発酵と熟成をあわせて13ヶ月、この期間はワインを動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。カーヴの温度は6℃〜20℃。澱下げやろ過をせずにビン詰め。


●ル・モン 白

BioWine_sub8 品種:シャルドネ  樹齢:60年超
「ファルジュ・レ・マコン」地区にある南向きの緩やかな斜面。日照量が多くぶどうの熟度が高くなる。0.21ha。粘土石灰質土壌。ソーヌ川右岸に位置する。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬し、圧搾。12hlの楕円形の木製樽でアルコール発酵・熟成。天然酵母による自然な発酵。
発酵と熟成をあわせて13ヶ月間、6〜20℃のカーヴで寝かせる。熟成期間はワインを一切動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。ビン詰め前には、澱下げやろ過をせずにビン詰め。2010年はSO2を一切添加せずに完成させた。
区画はモン・ミュザールだが、「モン・ミュザールのヴィエィユ・ヴィ-ニュ」とするより簡単なので「ル・モン」と名づけた。たっぷりしたボディと果実味は、完成度が高い。


●アン・ロルム 赤

BioWine_sub9 品種:ピノ・ノワール、ガメイ  樹齢:60年超
「ウチジー」地区にある真南向きで、緩やかに傾斜した日照量の多い区画。0.30Ha。br> 粘土石灰質土壌。ソーヌ川の右岸に位置する。ビオロジック栽培。
収穫したぶどうを潰れないように運搬。
ステンレスタンクで10日間マセラシオン。天然酵母による自然な発酵。
圧搾後、古樽(約2年)に入れて残りの発酵をさせた。途中からスピードが落ち、発酵が終わるまで2年かかった。熟成はステンレスタンクで8ヶ月。
この期間はワインを一切動かさず、細かな澱と一緒にした「シュールリー」の状態で複雑さを引き出す。その後澱引きし、清澄やろ過をせずにビン詰め。このとき一度だけ亜硫酸をごく少量添加。ビン詰めの機械は、重力を利用した昔ながらの手動式のシンプルなモデルで、1本ずつ丁寧に手作業で行う。


イギリス料理を食べに行く
【不味いか? おいしいか? フィッシュ&チップス】

2017年3月17日
イギリス料理を食べに行く 【不味いか? おいしいか? フィッシュ&チップス】

 世界中の男たちの最高の幸せは、アメリカの家に住み、日本人の女性を妻として、フランス料理を食べること。その反対、最悪の不幸は、日本の家屋に住み、アメリカの女と結婚し、毎日イギリス料理を食べること、だそうである。
 なかなかよくできたジョークだ、とロンドン帰りの人はにやり笑ってうなずく。
 確かにイギリス旅行の記憶の中で、〈おいしい経験〉は、あまりない。

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イギリス料理を食べに行く 【不味いか? おいしいか? フィッシュ&チップス】

記事提供:社団法人東京都トラック協会