自然派ワインの造り手
「大岡弘武(ラ・グランド・コリーヌ)」

2015年11月26日
自然派ワインの造り手 「大岡弘武(ラ・グランド・コリーヌ)」

今回はフランスで活躍する日本人の自然派ワイン生産者をご紹介致します。
フランス南東にコート・デュ・ローヌ地方でラ・グランド・コリーヌという蔵を運営している大岡弘武さんです。フランス語でグランドは「大きい」。コリーヌは「丘」を意味します。ですから蔵の名前がグランド・コリーヌ。分かりやすいですね!

明治大学理工学部を卒業後フランスへ渡り、ボルドー大学醸造学部でワイン全般を学んだ後にローヌ最大手GUIGAL社の、ジャンルイ・グリッパが所有していたサンジョセフの区画における栽培責任者を務めました。
その後、北ローヌ地方を代表する自然派ワインの生産者で最高のコルナスを造ることで知られるティエリー・アルマンに師事、最後は栽培長を任されるまでになりました。

BioWine_sub1 師アルマンとの出会いは、大岡さんが後にワイン造りを始めるにあたって決定的と言えるもので、ブドウ栽培から醸造に至るまでのほとんど全てにおいて影響を受けたようです。
醸造での人的関与を必要最低限に留める自然なワイン造りを実践するために最も大切なことは良いブドウを育てることに尽きるのですが、花崗岩に覆われた急斜面で夏は極めて暑く冬が寒いコルナスにおいては、畑仕事に費やす労力はいっそう厳しいものになります。
大岡さんは、アルマンの下で働くことにより栽培や醸造に関する考え方だけではなく、厳しい労働に耐える強靭な精神力も身につけたと言えます。
自分の本拠地を北ローヌと決めた理由について、畑における労働が最も厳しい土地であったから、と語っていたことが印象的です。


現在の大岡さんは、アルマンから完全に独立を果たして13種類のワインを造っております。
ブドウは、彼が所有する畑、借りている畑、そして信頼のおける生産者から購入したもので構成されております。
栽培はビオロジックを実践しており、除草剤や化学肥料は使用しません。
農薬は化学合成薬品ではなく硫黄(ビオディナミの認証団体である「デメテール」で認可されているもの)に限定し、使用回数も極力減らしております。
また、2月から3月にかけて行う遅い時期の剪定で徹底して不要な芽を取り除き、遅霜の影響を大きく受けるリスクは高まりますが、青刈りが不要となる理想的な収量制限を実現できることも栽培における特徴的なことでしょう。
「少量でも構わないから良いブドウだけを育てたい」、大岡さんの畑仕事における考えです。

醸造においては、その土地に育つブドウが醸し出す、純粋かつ繊細な果実味を楽しんでいただくことを目的として、野生酵母による自然な発酵とビン詰めに至るまでの全ての過程において酸化防止剤を使用しないことが特徴です。
そのため、単に収量が少ないだけではなく、収穫されたブドウを更に選別して傷んでいない果実だけを使った醸造を心がけています。(輸入元資料より抜粋)

大岡さんの造るワインは同じ自然派ワインの造り手の中からも一目置かれた存在になっています。収穫量を抑え、厳しい選果作業が美味しいワインの秘訣のようです。
是非見かけたら飲んでみてください!

3月の畑

3月の畑

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のはらにおはながさきはじめたら

2015年11月24日
「のはらにおはながさきはじめたら」

「のはらにおはながさきはじめたら」
ぶん シャーロットゾロトウ
え ガースウィリアムス
福武書店

シルクドソレイユ
壮大で
派手で
観る人を圧倒するエンターテイメントその中に僕の大好きな
フランク・ドラゴーヌという演出家がいる
代表作「O」や
大好きなホテルwynnで
シルクOBによって行なわれている
「Le Reve」
セリーヌディオンの舞台「A NEW DAY」など
どれも
見終わるとそよ風ですら飛ばされてしまうくらい
へろっへろの骨抜きにされてしまう
彼の作品を観るためにラスベガスまで何度足を運んだことか
その中でふと気付いたこと
何がひとをこんなにも惹きつけるのか
派手で壮大な演出の向こう側に
そっと潜んでいるシンプルな要素
その秘密は何なのか
それはきっと
普段身の回りにある当たり前の美しさ
火は 熱い
水は 冷たい
風が吹くと 布が揺れる
そんな
当たり前の自然の美しさ
それを大切に舞台を作り上げている
ということ
派手な演出
大掛かりな舞台装置
ダイナミックなアクロバット
その根っこの部分に
雨上がりの水たまりで足踏みする快感だったり
春風がスカートを揺らす心地よさ
そういうシンプルな感覚がある
だからこそ彼の作品は
観るひとの心をどうしようもなく揺さぶるのではないかと
ひとの心を動かす本当に大切なことは
そんなシンプルなことなのではないかと
思わせてくれる

そう考えると
絵本にしても同じで
例えば
絵本は絵だ
ぱっと惹きつける絵があれば
おはなしは後からいくらでも出てくる
ある人はそう言うし

絵本はストーリーだ
ひとを驚かせる優れたアイデアさえあれば
あとの絵はなんとでもなる
別のある人はそう言う
でも
そのどちらでもなく

絵本とは何か
という問いに対して
僕にとって
絵本とはまさに
これです
と静かに差し出せる
そういう一冊
それがこの
「のはらにおはながさきはじめたら」

文を書いたシャーロットゾロトウは
アメリカの詩人
「にいさんといもうと」や「おかあさん」など
身近なものたちをやさしい眼差しで描き
そこに絵を添えたガースウィリアムスもまた
アメリカのイラストレーター
「しろいうさぎとくろいうさぎ」や「大草原の小さな家」など
ひとや動物の表情
特に目の表情を繊細に描く

お話はいたってシンプル
まだおむつも取れないであろうおとうとの後ろ姿に向かって

ねえさんが1ページにひと言ずつ
語りかける

「のはらにおはながさきはじめたら
たくさんつんであげるわね。」
「かえりみちにはくもをみて、
なににみえたかはなしてあげる。」

あめがふったら
うみへいったら
えいがをみたら

そのひと言ずつに一枚
ねえさんが描かれていて
雨粒をひろったり
貝に耳をあてたりして
本人もまだまだ小さなねえさんが
自分の周りの小さな世界にあるよろこびを
さらに小さなおとうとと
精一杯分かち合おうとしている
僕たちの周りには
こんなにもたくさんのよろこびで溢れているのかと
今足元に落ちて来た落ち葉にも
しあわせを感じさせてくれる
たからもののような一冊です
残念ながら絶版です
図書館もしくはMAIN TENTで
おたのしみください
今月の一冊
「のはらにおはながさきはじめたら」
フランソワバチスト氏がご紹介いたしました

秋深く 隣のビルは 傾くか

2015年11月18日
秋深く 隣のビルは 傾くか

ox ピサの斜塔 ox
マンション杭打ち手抜きの責任者は、非正規社員だったという。建物の基礎を固める責任の重い仕事をしながら、正規社員との報酬の格差に疑問を持っていても不思議ではない。真面目に仕事に取り組む気がしなかったのかも知れない。

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秋深く 隣のビルは 傾くか

記事提供:社団法人東京都トラック協会